「お名前.com デスクトップクラウド」ご利用のお客様へ改めてのお願い(第6報) | GMOインターネット株式会社
出典: internet.gmo

26,739台が影響対象となる可能性

GMOインターネットが提供する「お名前.com デスクトップクラウド」で第三者による不正アクセスが発生し、取引口座の情報が流出した可能性が明らかになりました。利用者からは、証券会社やFX会社の口座で身に覚えのない操作があったとの報告も寄せられています。

同社は2026年10月20日、一部利用者のサーバー環境に悪意あるプログラムが設置されたことを確認しました。10月19日に顧客から問い合わせを受けて調査を始め、20日に新規申し込みとコントロールパネルを停止し、21日には全プランのサーバーを順次停止しました。

影響を受けた可能性があるサーバーは26,739台で、対象サービスの全プランが調査範囲です。サーバーに保存された情報には、取引ツールに記録された口座のログイン情報などが含まれます。一方、クレジットカード情報を含む決済情報は、同サービスのサーバーには保存していないと同社は説明しています。

取引環境と認証情報への影響

仮想デスクトップ基盤(VDI)は、サーバー上で動くデスクトップ環境に、利用者がネットワーク経由で接続する仕組みです。GMOのサービスでは、クラウド上のWindows環境でFX取引ツールを動かせるため、取引に使う認証情報もサーバー上に保存される場合があります。

クラウド型デスクトップサービス(DaaS)では第三者が保存、セキュリティ、バックアップ、更新を担う一方、組織の情報を守る法的責任はデータ所有者にも残ります。VDIソフトウェアの設定不備は不正アクセスや情報漏えいにつながるリスクがあり、マルウェアも侵入手段になり得ます。

GMOは、取引ツールや取引口座のパスワードを、取引に使っていない端末から変更し、ログイン中のセッションをすべて切断するよう利用者に求めました。パスワードを変更しても、証券会社やFX会社のサーバー仕様によっては既存セッションが残り、第三者が取引を続ける可能性があるためです。取引履歴と残高の確認、二要素認証の有効化も呼びかけています。

補償とシステム刷新を表明

GMOは利用者に一律5,000円のお見舞金を支払い、不正アクセスに起因する不正取引の損失を補償すると表明しました。熊谷正寿代表は、取引所などが返金に応じない場合も、同社が確認した対象損失の全額を支払うとしています。

同社は代替環境を6カ月間無償で提供し、システム基盤を刷新するとともに、外部専門家を交えて原因究明と再発防止に取り組む方針です。サービス再開日は決まっておらず、安全性を確認した後に知らせるとしています。

熊谷氏は、社内のホワイトハッカーが以前から改善点を指摘していたものの、サービスの可用性や他の課題を考慮する中で、対策の深さと速度が足りず、攻撃者に隙を突かれたと説明しました。また、同氏は攻撃者から5,000万ドル(約79億円)を要求されたと明かし、支払いには応じていないと述べています。

能動的サイバー防御をめぐる議論

熊谷氏は政府関係機関に「能動的サイバー防御」の適用を要請しました。日本では2025年5月に関連法が成立し、2026年10月1日に官民連携とアクセス・無害化に関する制度が施行されています。通信情報の利用に関する制度は、2027年秋の施行が予定されています。

制度は、基幹インフラ事業者から重要システムの情報や一定のサイバー攻撃の報告を集め、脅威情報を民間へ共有する官民連携を柱の一つとします。2026年10月には、通信、交通、エネルギー、金融などの事業者を中心に約100組織が参加する協議会が設置されました。

別の柱であるアクセス・無害化では、重大な危害のおそれがあり緊急性が高い場合、警察が攻撃に使われるコンピューターへネットワーク経由でアクセスし、不正プログラムの削除やサーバーの停止などを行える仕組みです。熊谷氏は、今回の事案を自社の責任として補償やシステム刷新を進める一方、国境を越えるサイバー犯罪への官民連携も求めています。