Minecraft Creeper
写真: Xbox México / CC BY 3.0 / Wikimedia Commons

4体がエンダードラゴン撃破を目指す

Google DeepMindのGemini 4 Argonを使ったAIエージェント4体が、ランダム生成されたMinecraftのサバイバルワールドでエンダードラゴンを倒しました。攻略には27時間14分かかり、エージェントは自作プログラムを2,783本実行し、計605回死亡しました。

実験の目的は、ゲームの最終ボスであるエンダードラゴンの撃破です。難易度はEasyで、開始時に人間が役割を割り当てたり、ゲーム攻略用のロジックを書いたりせず、エージェントはプレイ中に人間の介入を受けませんでした。

各エージェントは、Minecraftの操作に使うオープンソースのJavaScriptライブラリ「Mineflayer」を通じて、それぞれ別のプレイヤーを動かしました。4体はゲーム内チャットと共有メモで情報をやり取りし、研究者は実行中の様子を監視できました。

役割分担と自作コードで進めた攻略

エージェントは開始から約10分で分担を話し合い、食料やベッド、火打ち石の確保、ダイヤモンドの採掘、鉄や道具の調達、ネザーへのポータル建設をそれぞれ担当しました。役割は人間が指定したものではなく、エージェント同士のチャットで決まりました。

プログラムは短いJavaScriptコードとして作られ、実行時には状態データが返されました。実験中に維持された補助関数は42個で、プログラムの22%はエラーで終了しました。

失敗の原因を探り、次の行動に反映する場面もありました。たとえば、ガストの火球で落としたアイテムが失われた後、エージェントは原因を分析し、再発を防ぐルールを書きました。

要塞の探索からドラゴンとの戦闘へ

Minecraftでエンダードラゴンに挑むには、まず要塞を探し、エンドポータルを通ってジ・エンドへ移動する必要があります。要塞の位置を探す際、エンダーアイは投げると飛行方向を示します。複数地点から投げた軌道を比べれば、要塞の方向を絞り込めます。

ジ・エンドでは、周囲にエンドクリスタルが残っている間、エンダードラゴンは近くにいると回復します。島の外周にある塔には10個のクリスタルがあり、そのうち2個は鉄格子で囲まれています。

今回のエージェントは要塞の位置を割り出すため、2地点からエンダーアイを投げ、50ミリ秒ごとに軌道を記録して位置を推定しました。エンダーアイを運ぶ途中で水没したエージェントもいましたが、位置を記録していたため、アイテムを回収できました。

約半分を費やした最終戦

エージェントはドラゴンとの戦闘に全体の約半分を費やしました。戦闘中には69回死亡し、クリスタルが残っている間、ドラゴンは回復を続けました。

土を積み上げて塔の上へ登り、クリスタルを壊す方法で戦況が進みました。10個すべてのクリスタルを破壊するまでに4時間40分かかり、その39分後にエンダードラゴンを倒しました。

自律的な長期タスクの実験

研究者らはこの成果を「把握する限り、AIエージェントによるMinecraftの初のエンドツーエンド自律攻略」と位置付けています。この主張は、人間が事前に調べたワールドや、攻略用に作ったゲーム固有のツールを使わない条件に限ったものです。

実験では、4体のエージェントによるプレイ費用は約520ドル(約8万2,000円)と見積もられました。観察役のエージェントを含めた推定額は、導入価格で約810ドル(約13万円)です。

DeepMindの研究者らは、数千の手順にわたって計画を保つことや、失敗から立て直すこと、複数のエージェントで協力することを、現実世界の長期タスクにも関わる能力として挙げています。