
Metaは、AIインフラやパーソナル・スーパーインテリジェンスへの投資を支えるため、約950億ドル(約15兆円)の資金調達計画を発表しました。まず約350億ドル(約5兆5,000億円)の公募を実施し、その後、約600億ドル(約9兆4,000億円)の市場内売出しプログラムを設ける計画です。
約350億ドル(約5兆5,000億円)の公募と約600億ドル(約9兆4,000億円)の市場内売出し
公募は、クラスA普通株約225億ドル(約3兆5,000億円)と、シリーズA強制転換優先株を表す預託株式約125億ドル(約2兆円)で構成されます。優先株の預託株式は2億5,000万株を発行する計画で、引受会社には、超過割当分を対象に追加購入する30日間のオプションも付与する予定です。
普通株の公募は先渡し売買契約と組み合わせます。Metaは、先渡し取引先などが公募で株式を売却した時点では、売却代金を当初受け取らない見込みです。契約の将来の決済時に受け取る資金は、一般事業目的に充てる方針です。
残る約600億ドル(約9兆4,000億円)は、市場内売出し(ATM)プログラムを通じて調達する計画です。ただし、プログラムを設けるかどうかを含め、契約はまだ結ばれておらず、実施時期や規模、条件も決まっていません。Metaは、クラスC普通株の取引開始に合わせてプログラムを立ち上げる計画を示しています。
売出し方法で異なる価格と時期
引受け公募では、まとまった株式を一度の取引で売り出し、価格や条件を定めます。市場内売出しでは、株式を市場価格で時間をかけて売り、企業が売却量や時期を決めます。
市場内売出しは、大口の一括売却で必要になりうる値引きを避けられる一方、希望額の調達に数週間から数カ月かかる場合があります。売却を続ける間に株価が変動するため、最終的な調達価格も固定されません。
株式を発行して売却すれば既存株主の持ち分比率は低下しうるほか、市場内売出しの枠を公表した段階で、将来の希薄化が意識され株価の重荷となる場合もあります。
2026年の設備投資は最大1,450億ドル(約23兆円)
Metaは2026年の設備投資を1,350億〜1,450億ドル(約21兆〜23兆円)と見込んでいます。2026年の第3四半期には売上高が646億ドル(約10兆円)、純利益が99億ドル(約1兆6,000億円)となり、売上高は前年同期比26%増でした。Metaは、AI関連の投資を営業キャッシュフロー、投資適格債、戦略的提携、株式資本の組み合わせで賄う方針です。
第3四半期までの9カ月間に、Metaの営業キャッシュフローは970億ドル(約15兆円)でした。第3四半期末には現金、現金同等物、市場性のある有価証券を約820億ドル(約13兆円)保有していました。Metaは、株式公募と将来の市場内売出しで資金調達手段を多様化するとしています。
Metaは、米国23州でデータセンターを所有し、それぞれ1ギガワットを超える容量を持つスーパークラスターを4基建設中です。2026年には、インフラ全体の容量を前年比でほぼ倍増させる見込みです。計画には、AIの計算能力を支える設備の拡張も含まれます。
AIインフラ投資の規模を左右する前提
Goldman Sachsは、コンピューティング、データセンター、電力を合わせたAIインフラ投資について、2026〜2031年に約7兆6,000億ドル(約1,200兆円)となる基準シナリオを示しています。同シナリオでは年間投資額を2026年に7,650億ドル(約120兆円)、2031年に約1兆6,000億ドル(約250兆円)と見積もっています。この試算は将来の支出を予測するものではなく、インフラ構築に関する前提を置いたシナリオ分析です。
試算を左右する前提には、AIチップの経済的な使用年数、次世代データセンターの建設費や複雑さ、チップの構成、電力・人員・設備の制約による遅れが挙げられています。Goldman Sachsは、これらの条件が変われば必要な投資額も増減するとしています。
NVIDIA、Advanced Micro Devices、Broadcomは、Meta株を最大50億ドル(約7,900億円)分購入することに関心を示しました。また、Metaは第3四半期決算で、フリーキャッシュフローがマイナスとなり、通期設備投資見通しの下限を1,300億ドル(約20兆円)から1,350億ドル(約21兆円)へ引き上げました。











