
MetaのAIアプリ「Muse」は利用者が1,000万人を超え、買い物や生産性向上にも使われています。マーク・ザッカーバーグCEOは、買い物をする利用者の購入額や、今後の収益化と計算コスト削減の方針を明らかにしました。
Museの利用者は1,000万人を超え、買い物にも利用
Metaは第3四半期の決算説明会で、Museの利用者が1,000万人を超えたと発表しました。Metaによると、利用者の約25%はMuseを設定した後、毎日使っています。
買い物をしているエンゲージドユーザー、つまり継続的に利用している層のうち、4分の1を超える人は平均購入額が200ドル(約3万2,000円)を上回りました。ザッカーバーグ氏は、この購入規模に業界関係者も驚いたと説明しています。
買い物以外では、メールやカレンダーをAIエージェントに接続し、個人の生産性を高める使い方もあります。Metaは、こうした機能を支える安全対策として、データやプライバシーの保護を目的とする「Muse Secure VM」を導入しています。
Plaid接続が支える買い物機能
Museは金融テクノロジー企業Plaidのコネクターを使い、AIエージェントによる買い物を可能にしています。Plaidは決済アプリと利用者の銀行口座をつなぐサービスです。
PlaidのAuth APIは、銀行口座の口座番号や金融機関識別番号、本人確認の状態を取得できます。対象となる口座には、当座預金、貯蓄口座、キャッシュマネジメント口座が含まれます。Authは、米国のACH、カナダのEFT、英国のBacs、欧州のIBAN/SEPAなど、電子送金の設定にも使われます。
PlaidのAccounts APIは、利用者が連携した金融機関にある有効な口座の一覧を取得します。通常の口座情報取得では残高はキャッシュされた値で、金融機関からリアルタイムの残高を取得するには別の有料エンドポイントが用意されています。
Metaは収益化と計算コスト削減を計画
MetaはMuseを「プロダクト・マーケット・フィット」に達した段階と位置づけ、今後は規模の拡大、収益の増加、計算コストの最適化に取り組む考えです。収益化では、多くの利用者に無料で提供しながら、プラットフォーム上の取引の一部を得る方法を想定しています。
Metaは、高度なAIモデルや追加トークンを求める利用者に課金する方針です。ザッカーバーグ氏は、Museの利用者1人当たりの収益が、Facebook、Instagram、WhatsApp、Messengerを含むアプリ群の現在の利用者1人当たり収益を上回るとの見通しを示しました。
一方、Museは現時点で計算資源を多く必要とします。Metaは、今後1年で計算効率を10倍超改善し、収益源が規模に達した段階で黒字化を目指すとしています。また、今後数年で10億人を超える利用者に対応できる計算能力を整える計画です。
スマートグラスと利用者間の連携も視野
Museは、Metaのスマートグラス戦略でも中心的な役割を担う予定です。スマートグラスやVRなどを手がけるReality Labsは赤字が続いており、Metaは同部門の損失が2025年の191億ドル(約3兆円)から、今年は150億ドル(約2兆4,000億円)に縮小すると予想しています。
ザッカーバーグ氏は、Museを利用者一人で使う形から、友人や家族のAIエージェントとも連携する「Muse network」へ広げる構想を示しました。買い物の際には、企業のウェブサイトへ移動する代わりに、その企業のエージェントと会話する形も想定しています。











