Abstract shapes and lines with a faint openai logo
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Decisions APIを一般提供

OpenAIは2026年10月22日、選択肢から答えを選ぶ「Decisions API」の一般提供を始めました。GPT-6 Lunaを基に、テキスト、画像、構造化データを使った判断を処理し、Responses API経由のGPT-6 Lunaより最大10倍速いとしています。同社は9月29日の開発者向けイベントでAPIを発表していました。

意思決定モデルは、決められた候補から選び、候補ごとの確率を返します。自由文をトークン単位で生成する一般的な大規模言語モデル(LLM)とは異なり、分類や振り分けなど、答えの範囲が定まった処理に向けた形式です。OpenAIはGPT-6 Lunaを再構成し、推論を速めて費用を抑えたと説明しています。

APIは、条件が真である確率を返す「predicate」、指定候補から選ぶ「choice」、基準に沿って評価する「score」の3種類の回答に対応します。開発者は質問と許容する回答を指定し、テキスト、画像、JSON形式の入力を渡せます。1回のリクエストで最大400問を処理でき、ベータ版から上限を倍増しました。

低遅延を生かす用途

分類や次の処理先の選択など、個々には小さな判断でも、アプリ内で何度も行うと遅延と費用が積み重なります。OpenAIは、こうした判断を文章生成なしで1回の処理で返す設計を採用しました。API責任者のニクンジ・ハンダ氏はTechCrunchの取材で、処理時間を従来の1〜3秒から100〜180ミリ秒に縮めたと述べています。

OpenAIの顧客事例では、Boxが保険証明書30件の評価で、Responses APIと同じ精度を保ちながら処理先の選択を約5倍速くしたと報告しました。Datadogはエージェントが生成したコマンドの実行前にリスクを判定し、利用可能なフロンティアモデルとの比較でp95応答時間を40倍速くしたとしています。

RampはAI利用料を実際の作業に割り当てる処理で、GPT-6 Lunaと比べて4倍速く、費用を30%削減したと報告しました。語学学習サービスのSpeakはGPT-Liveとの連携を試し、次のアクションまでの時間を1.4秒から0.13秒へ短縮したとしています。OpenAI自身も音声アシスタント「Dots」の応答改善に使っています。

意思決定モデルの精度と条件

意思決定モデルは、質問と候補を受け取り、候補ごとの確率を一度の処理で返します。文章を順番に生成しないため、出力が短い選択式タスクでは処理を速めやすい一方、確率の扱いや精度はモデルとタスクによって異なります。

テキサス州立大学の研究者による比較では、正解ラベルを使って学習したDeBERTa-v3-largeが、ラベル付き評価のほぼすべてで最も高い精度を記録しました。ラベルなしのワークフローや意図分類では、意思決定モデルのJevを有意に上回るモデルはありませんでした。Gemma-4-31Bは一部のタスクで同等以上の精度を示す一方、費用と遅延が高くなりました。

別のエージェント向け評価では、公開重みのLayaとAPI提供のJevを11種類の判断点で比較し、Jevが9種類で有意に高い精度でした。両モデルとも、ゼロショットのモデル振り分けでは偶然を超える成績に届かず、検索結果の関連性判定では同程度でした。Layaは候補の順序を逆にすると回答の30%を変え、似た候補が多いツール選択でも精度が低下しました。

ベンチマークの順位が異なる理由

意思決定モデルの評価では、測定内容によって順位が変わります。AIM System One Indexは、ブラウザー操作、分類、AIバイアスの3評価を組み合わせ、それぞれのスコアを標準化した平均から指数を算出します。ブラウザー評価は50課題、分類評価は4種類のタスクにまたがる1,655問で、AIバイアス評価では選択肢の位置を変えた多肢選択問題を使います。

AIMの指数では各評価の標準化スコアを平均し、50が平均、10ポイントが標準偏差1つ分に当たります。費用と遅延も一覧に載りますが、指数の計算には含まれません。そのため、同指数の順位は、実運用の速度や費用を含めた総合順位ではなく、採用された3評価での成績を表します。

Artificial Analysis Decision Indexは、知識・幻覚、推論、ツール呼び出し、安全性分類の4評価を使い、各25%の重みで平均します。知識・幻覚の評価には500問の選択問題、推論には「Humanity's Last Exam」のテキスト形式513問を用います。残る2評価はNVIDIAのツール呼び出し評価と安全性分類で、意思決定モデルには選択肢ごとの確率、LLMには指定形式のJSON回答を求めます。

提供条件と利用料金

APIは専用のDecisionsエンドポイントから利用でき、GPT-Liveとのネイティブ連携にも対応しました。音声の会話中に次の応答や処理先を選ぶ用途に加え、画像を質問文に含めた判断もできます。OpenAIは米国と欧州での推論処理地域指定にも対応し、アジアの複数地域では処理能力を追加しました。

料金は入力トークン100万個あたり0.10ドル(約16円)で、キャッシュされた入力は同0.01ドル(約2円)です。出力トークンには課金しません。入力を繰り返し使う場合のキャッシュ書き込み料金は別途設定されており、対象顧客はゼロデータ保持を利用できます。

OpenAIのハンダ氏は、処理時間をさらに約60ミリ秒まで縮められれば、動画の各フレームに対してAPIを呼ぶ用途も考えられると述べました。動画の各フレームでAPIを呼ぶ用途は、同氏が語った将来の見通しで、現在提供されている機能ではありません。