PFN、53言語対応の翻訳LLM「PLaMo 3 Translate」をオープンウェイトで公開
出典: preferred.jp

Preferred Networks(PFN)は、翻訳特化型の大規模言語モデル「PLaMo 3 Translate」をオープンウェイトで公開しました。最小の0.8Bモデルはスマートフォンなどでも動作し、ネット接続なしで53言語間を翻訳できます。 端末や社内サーバーで処理を完結できるため、翻訳に使う文章を外部サーバーへ送らずに運用できる点が特徴です。

4サイズを用途に応じて選べる

モデルはパラメータ数が0.8B、2B、8B、31Bの4種類です。パラメータ数はモデルの規模を示す値で、PFNは翻訳品質や応答速度、処理量、利用機器に合わせて選べるとしています。

小型モデルはスマートフォンやノートパソコン、ウェアラブルデバイスでの利用を想定しており、大きなモデルは社内サーバーなどで動かす構成にも対応します。 端末で利用する場合は、モデルを組み込んだアプリケーションが必要です。

公開されるモデル重みには、BF16のほかFP8、W4A16、W4AFP8、NVFP4、GGUF、MLX-4bitの形式があります。 同じモデルでも、利用する機器やソフトウェアに応じて形式を選べるようにしています。 各形式の具体的な容量や動作速度は、モデルのサイズや利用環境によって異なります。

オフライン翻訳と情報管理

モデルをあらかじめ端末へダウンロードし、対応するアプリケーションに組み込めば、ネットに接続していない状態でも翻訳できます。 PFNは、機内モードのスマートフォンで0.8Bモデルを動かすデモも公開しました。

自社が管理する端末やサーバーで処理すれば、原文や訳文を外部のサーバーへ送らずに翻訳を完結できます。 PFNは契約書、研究開発資料、顧客対応の文書などを利用例に挙げています。

ライセンスは「PLaMoコミュニティライセンス」です。直近事業年度の収入または売上が10億円以下の企業と個人は、商用・非商用を問わずエッジ環境で無償利用できます。 条件の範囲を超える商用利用には、PFNとの商用ライセンス契約が必要です。

翻訳品質とカスタマイズ

PLaMo 3 Translateは、日本語と英語を含む53言語間の翻訳に対応します。 PFNと情報通信研究機構(NICT)の共同研究で得られた事前学習モデル「PLaMo 3 NICT」を基盤に、翻訳向けデータで追加学習したモデルです。

PFNの比較評価では、最小の0.8Bモデルが、日本語を含む翻訳でGoogleのTranslateGemmaやTencentのHy-MT2を上回るスコアを記録しました。 これはPFNが行った評価の結果であり、同社は比較結果を自社評価に基づくものとして公表しています。

翻訳時には前後の文脈を参考情報として渡せるほか、用語集で固有名詞、専門用語、製品名などの訳語を指定できます。 日本語へ訳す場合は、です・ます調の敬体と、だ・である調の常体を指定できます。 文書の種類や用語に合わせて出力を調整する機能です。

Hugging Faceでモデルを公開

4サイズのモデルは、AIモデル共有サイトのHugging Faceで公開されています。 利用者はライセンス条件に沿ってモデルを入手し、手元のパソコンやスマートフォンで翻訳を試せます。

PFNは、自社のAI翻訳サービス「PLaMo翻訳」にも同モデルを採用しています。 今回のオープンウェイト公開では、モデルを各ユーザーの機器で動かすための重みを提供します。

PFNは、観光、ビジネス、災害対策などでの利用を見込んでいます。 個人の端末から社内サーバー、自社製品やサービスへの組み込みまで、用途に応じた導入を想定しています。