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出典: Replit Docs

米Replitが日本に拠点を開設し、アジアで企業向け事業を拡大します。三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は、ReplitのAI開発環境を活用した企業向けサービスの提供を始めました。現場の担当者が業務に合わせたアプリ開発に参加できる仕組みに、企業利用を想定したデータ管理や品質確認を組み合わせています。

Replitの日本拠点とSMFLの新サービス

Replitは、自然言語の指示からアプリケーションを構築できる米国のクラウド型開発環境です。日本拠点は同社にとってアジア初のオフィスです。9月には欧州市場向けのロンドン拠点を開設しており、日本を足掛かりにアジアで企業向け事業を拡大する方針です。

SMFLは、資産管理クラウドサービス「assetforce」と、両サービスを接続する開発基盤「ADP」、Replitを組み合わせた企業向けパーソナライズ型SaaSの提供を始めました。ADPは、assetforceとReplitを企業のルールに沿って接続します。SMFLは資産管理業務で培った知見も生かし、標準的なSaaSでは対応しにくい企業固有の画面や機能の開発を支援します。

assetforceは2021年に外部提供を始め、200社超と有償契約を結び、400万点を超える資産データを管理しています。企業ごとの要件を反映した画面や機能の開発には、要件整理や実装に時間と工数がかかる課題がありました。新サービスでは、現場の業務を知る担当者が開発に加わり、個別の業務フローをアプリに反映することを目指します。

自然言語の指示からアプリを構築

Replit Agentは、作りたいものを日常の言葉で説明すると、プロジェクトの設定、コード作成、インフラの準備、テストを行います。利用者は作成するものの種類を選べます。指示に応じてAgentが設定を判断する場合もあります。生成後はAgentとやり取りして改善し、準備ができたら公開できます。

開発中のテストでは、Agentがブラウザー上でアプリを操作し、ボタンやフォーム、画面遷移、主要なユーザーフローなどを確認します。テスト結果を分析して問題を特定し、自動で修正することもできます。アプリテストの対象は、フルスタックJavaScriptとStreamlit Pythonのウェブアプリです。

SMFLの事例では、従来の手法で6人が約半年かかる想定だった個別カスタマイズを、1人が1週間で実現しました。また、200以上の画面を持つ固定資産会計システムの再開発にも活用し、要件定義後の開発・テスト期間を従来の3分の1に短縮できる見込みです。前者は実際の事例として示された期間で、後者はSMFLの見込みです。

企業向けに設けるアクセス管理と確認工程

企業利用に向け、SMFLはassetforceとReplitで開発したアプリをつなぐADPを構築しました。ADPはデータへのアクセス権限を管理し、企業が許可した情報や操作だけを使えるようにします。AIが生成したコードは独立した品質管理エージェントが検証し、最後に人間のエンジニアが確認します。

Replitの企業向け機能には、組織のセキュリティ関連の操作を記録する監査ログがあります。管理者はログを検索、絞り込み、エクスポートでき、DatadogやSplunk、Amazon S3などへイベントをストリーミングできます。監査ログはEnterprise向けで、利用には管理者による有効化が必要です。

Replitでは、アプリや開発基盤を顧客のクラウド環境で動かすこともできます。公開済みアプリだけを顧客環境でホストする方法では、開発やプレビューはReplit管理の環境に残ります。開発基盤も顧客環境で動かすFull BYOCはプライベートプレビューで、アプリの成果物を顧客側で展開・運用するImage Exportsは早期アクセスです。

人材育成やライセンス提供、書籍の発売も予定

SMFLは、顧客の現場に入り、業務整理から試作品の作成、改善までを支援するフォワードデプロイドエンジニア(FDE)の育成を進めます。担当者が顧客と試作品を作り、実際に操作してもらいながら要望を反映する計画です。Replitのライセンス提供や顧客紹介の開始に向けた準備、企業向けトレーニングも進めています。

SMFLはデジタルサービスの売上規模を今後5年間で10倍にする目標を掲げ、企業向けの個別開発支援をデジタル事業の柱の一つに位置付けています。

協業や実証で得た知見をまとめた書籍『エンタープライズ バイブコーディングの衝撃 AI駆動開発が変える企業競争力』は、2026年11月27日に日経BPから発売予定です。著者は三井住友ファイナンス&リース デジタルラボで、価格は税込2,970円です。