SeeedとTRMNLの7.5インチ電子ペーパーDIYキット、3つの運用方法に対応
出典: seeedstudio.com

3通りから選べる情報表示の仕組み

Seeed StudioとTRMNLが共同開発した電子ペーパーのDIYキットは、カレンダーや天気、ニュースなどを表示できます。利用者はTRMNLのクラウド、Seeedのソフトウェア、自分で管理するサーバーのいずれかを選べます。端末はサーバーから表示内容を取得し、画面を更新します。

TRMNLのクラウドを使う場合、14日間の試用に登録した後、端末を接続し続けるには一度限りの50ドル(約7,900円)のライセンス料が必要です。試用を始める際にはクレジットカード情報の登録と1ドル(約160円)の支払いが求められます。クラウド上のプラグインを使い、表示する情報や更新スケジュールを設定できます。

Seeed側の選択肢には、Home Assistantとの連携やSenseCraft Seeedashがあります。SenseCraft Seeedashにはプラグインのリポジトリとデザイン作業環境があり、ブラウザーからファームウェアを書き込めます。TRMNLのBYOD(自分の端末を持ち込む仕組み)は、電子ペーパー端末など複数の機器を対象にしており、SeeedのDIYキットも対応機器に含まれます。

画面と組み立てに必要な部品

キットには、XIAO ESP32-S3 Plusを搭載した制御基板と、7.5インチのモノクロ電子ペーパーディスプレイが含まれます。画面解像度は800×480ピクセルです。そのほか、2,000mAhの充電式バッテリーと10センチのFPC延長ケーブルが同梱されています。

画面は基板へ接続し、バッテリーまたはUSB-C電源につなげば動作確認できます。初回設定ではスマートフォンなどから端末のWi-Fiに接続し、自宅のWi-Fi情報を登録します。公式のケース設計は三角柱型とL字型の2種類で、ケース自体は別途3Dプリントが必要です。

組み立てでは、画面につながるFPCケーブルの扱いに注意が必要です。ケーブルは壊れやすく、L字型ケースでは延長ケーブルを通すための加工が必要になる場合があります。ケースの細い部分に残る3Dプリントのサポート材を取り除く作業も発生します。

クラウドと自前サーバーの違い

TRMNLのクラウドは、端末から利用する情報をレンダリングし、表示内容を提供します。プラグインにはGoogleカレンダーや天気、株価のほか、コミュニティが作成したものもあります。利用者は端末をサービスへ登録してプラグインを選び、表示を組み立てます。

自前のサーバーを使う方法では、TRMNLのオープンソースソフトウェア「Terminus」を動かし、端末がそこから情報を取得します。TerminusはRubyとHanamiを使ったWebサーバーで、データベースにPostgreSQL、キャッシュにValkeyを採用しています。Dockerにも対応しています。

Terminusはダッシュボード、端末、API、画面、プレイリスト、拡張機能などをサポートします。一方、開発元はTerminusをベータ版とし、バージョン1.0.0には達していないとしています。自前運用ではサーバーをオンラインに保ち、環境を管理する必要があります。

表示内容と用途の幅

TRMNLのクラウドでは、プラグインを時間帯に応じて切り替えられます。SenseCraft側では画面へ画像を直接取り込めます。Seeedのファームウェアには、スマートフォンから表示するフィードを編集する画面があります。

このキットは、通知や操作を頻繁に求める端末ではなく、設定した情報を画面に表示しておく用途に向いています。電子ペーパーは表示内容の保持に電力を必要としないため、画面を常時表示する端末に使われます。

利用方法によって、費用や設定の手間は異なります。TRMNLのクラウドはライセンス料がかかり、SeeedのサービスはTRMNLへの接続やライセンスを必要としません。自前サーバーは運用管理が必要ですが、表示データを自分の環境で扱えます。