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出典: cdn.mos.cms.futurecdn.net

Tencent(騰訊)がOracleの東南アジアのデータセンターで、先端AIチップ約10万基を5年間利用する契約を結んだと報じられました。契約額は約70億ドルと推定され、チップの時間単価は既存のGPUレンタル料金より低い計算です。

約10万基を5年間、約70億ドルで利用する計画

報道によると、契約はOracleの東南アジアにある複数のデータセンターを対象とし、Tencentが中国国内では利用できないAIチップの計算資源を借りる内容です。契約期間は5年間で、約30%を前払いする見込みとされています。

約70億ドルを約10万基、5年間で割ると、チップ1基あたりの利用料は1時間約1.60ドルとなります。これは契約額と台数、期間から算出された概算で、契約条件の詳細は両社から公表されていません。

TencentとOracleは報道についてコメントしていません。利用するチップのメーカーや型番、データセンターの所在国、利用開始時期も明らかになっていません。

報じられた時間単価は既存のGPU契約を下回る

Tom's Hardwareが紹介した比較では、今回の推定単価は、調査会社SemiAnalysisが示したNvidia H100の1年契約のGPU時間あたり約2.80ドルを約43%下回ります。日本のデータセンター事業者Datasectionが2025年に公表した、顧客名非公表のB200・3年契約の約3.09ドルと比べても約48%低い水準です。

ただし、いずれも契約期間や条件が異なる料金との比較です。今回の契約ではチップの種類が特定されていないため、これらの差だけから、同じ性能や条件のGPUを安く借りられると結論づけることはできません。

チップの候補について、元の報道はNvidiaの最上位製品が含まれる可能性にも触れていますが、契約にNvidia製品が使われると確認されたわけではありません。Tom's Hardwareは、価格の計算上はHopper世代の製品が大量契約に使われる場合にも整合すると分析しています。

AI計算資源の需要と前払いの広がり

Tencentのジェームズ・ミッチェル最高戦略責任者は、8月12日の決算説明会で計算資源のレンタル価格が上昇していると述べました。同じ説明会で、マーティン・ラウ社長は、既存の注文分を数カ月前の購入価格より30%超の利益を乗せて販売できる可能性に言及しています。

Oracleは顧客のGPU利用について、9月10日の決算説明会で稼働率が97.9%だったと説明し、更新契約は平均で20%の価格上乗せになったと報告しました。上乗せの大半は4年以上前のGPUに関する契約でした。

Oracleは6月から8月の四半期に、顧客から114億ドルの前払いを受けたと四半期報告で記載しています。一方、顧客名は明かされておらず、この金額をTencentとの契約に結びつけることはできません。

米国のクラウド利用規制をめぐる動き

米国では、先端AIチップの国外販売に輸出許可が必要となる規制がある一方、クラウド経由で国外から計算資源を使う形は、これまで規制の対象外でした。報道された契約も、現行の米国ルールでは合法とされています。

米下院は1月、遠隔地からのクラウド利用を含む機微技術へのアクセスを政府が規制できる法案を369対22で可決しました。法案は上院銀行委員会にとどまっており、成立した法律ではありません。

別の報道では、米商務省が中国企業による第三国での計算資源レンタルを制限する規則を検討しているとされています。現行法の下では執行できないとの弁護士の見解も紹介されており、米中首脳の次回会談は11月にAPECで予定されています。

OracleとTencentの今後の決算・イベント

Oracleは10月25日から28日にラスベガスでOracle AI Worldを開催し、10月28日には投資家向けイベントを予定しています。契約が報じられた数週間後にあたり、同社がチップの種類などを明らかにする機会になる可能性があります。

Tencentは翌月に第3四半期決算を発表する予定です。契約の利用条件や対象となるチップについて、両社が説明するかどうかが焦点となります。

報道された契約は、AI向け計算資源の確保と、クラウド経由のチップ利用をめぐる米国の規制議論が重なる事例です。契約の具体的な機材や開始時期が明らかになれば、価格比較や規制上の扱いを検討するための前提も定まります。