Amelia Earhart
出典: purdue.edu

衛星画像の異常を現地で調査

南太平洋のニクマロロ島沖で、アメリア・イアハートの行方不明機とされた物体を調べた調査隊は、機体の残骸を裏付ける決定的な証拠を確認できませんでした。物体は砂州に流れ着いた大型の木々だった可能性が高く、イアハートと航法士フレッド・ヌーナンの失踪をめぐる捜索は続いています。

この物体は、ニクマロロ島のタライア半島にちなみ「タライア・オブジェクト」と呼ばれています。アマチュア研究者のマイケル・アシュモアが2020年、Apple Mapsのぼやけた衛星画像で発見しました。航空機の翼のように見える形が、調査のきっかけになりました。

イアハートとヌーナンは1937年7月2日、世界一周飛行の途中でニューギニアのラエを出発し、給油地のハウランド島へ向かう途上で消息を絶ちました。ニクマロロ島はハウランド島から約400マイル南東にあり、2人が島に漂着したという説の調査対象となっています。

磁力計とソナーで湖を調査

考古学遺産研究所、パデュー大学、パデュー研究財団による17人の調査隊は、キリバスのタラワから船で5日かけて島へ向かいました。10月6日に出発し、現地で水中と陸上の調査を行いました。

水中調査では磁力計とサイドスキャンソナーを使用しました。磁力計は地球の磁場の変化を測り、鉄を含む物体のある場所で生じる磁気の異常を捉えます。サイドスキャンソナーは音波の反響から海底の画像を作り、物体の形状や海底との位置関係を調べます。

ロッキード・エレクトラ10-Eの機体の大部分はアルミニウム製です。磁力計は鉄を含む部品やケーブルなどの検出に使えますが、アルミニウム部分そのものは検出できません。ソナーは反響の違いを画像にする機器で、物体が航空機の部品かどうかは、それだけでは特定できません。

木々と判明した物体、調査で見つかった品

調査隊が確認したのは、衛星画像に写った異常の一部に当たるY字形の断片でした。到着時には木々などの堆積物の多くが崩れたり流されたりしていました。残った断片の表面が金属のように見えたのは、炭酸塩の被膜によるものとされます。

調査隊は、タライア半島付近のラグーンで長さ約76センチの鋼管も発見しました。海中と陸上の考古学調査では、このほかにも複数の遺物が見つかり、今後の研究対象となっています。

発見された遺物は、タライア・オブジェクトが想定していた漂着経路の調査にも関係します。島の西側にある自然の水路、タティマン水道からラグーンに入った物体が、反対側のタライア半島まで運ばれて堆積する可能性を示す材料として、鋼管などが検討されています。

1937年の記録と続く捜索

イアハートが消息を絶った当時、米海軍は広範囲を捜索し、機体は太平洋に墜落した可能性が高いと結論づけました。一方、ニクマロロ島漂着説を調べてきたTIGHAR(国際歴史的航空機回収グループ)の2012年の論文は、失踪後に受信された無線通信の記録を根拠の一つに挙げています。

同論文では、太平洋各地などで受信された少なくとも121件の通信のうち、TIGHARの研究者は57件をイアハート機からの発信として信頼できる可能性があると分析しました。6件の通信について記録された方位のうち4件は、ニクマロロ島付近で交差したとされています。

TIGHARは、これらの無線記録に加え、1940年に島で見つかった人骨の分析や1930年代の品々なども、漂着説を支える材料に挙げています。今回の調査隊はタライア・オブジェクトから機体の痕跡を確認できませんでしたが、漂着説に関する捜索を続ける意向を示しました。