初のテストチップは2027年5〜6月を目標
イーロン・マスク氏は、テキサス州オースティンで進める半導体工場「Terafab」について、2027年5〜6月ごろに最初のテストチップを製造する計画を示しました。設備の本格稼働に向けた試運転は2027年前半に始め、量産規模への拡大は2028年第3四半期を見込んでいます。
マスク氏によると、最初のチップは製造できるかを確かめるための試作品です。量産開始は2028年後半と述べており、テストチップの製造後も量産に向けて設備や工程の立ち上げが続きます。
TerafabはTeslaとSpaceXの合弁事業です。工場で作るチップは、地上と宇宙での用途を想定しています。
設備の試運転から量産へ進む工程
半導体工場では、設備搬入後に各装置の条件調整や試作を進めます。Rapidusは北海道千歳市の工場で、2025年4月にパイロットラインの立ち上げを開始し、同日、EUV露光装置による初めての露光を実施しました。EUV露光は、極端紫外光を使って回路パターンを形成する工程です。
Rapidusの小池敦義社長は、工場内に数百台ある装置それぞれの条件を整えたうえで、チップをある程度確認できる時期を2025年7月中旬から下旬ごろと説明しました。量産開始の目標は2027年度です。
富士電機は、マレーシア工場で8インチウエハーを使うパワー半導体の生産ラインを立ち上げました。移管対象の30型式について設計差や懸念点を整理し、特性が変わりやすい箇所を先行して評価することで、試作期間を短縮しました。
設備投資は数百億ドル規模
マスク氏は、2028年初めまでの設備投資について「数百億ドルを下回らない」とし、長期的には1,000億ドル(約16兆円)を超える可能性を述べました。TeslaとSpaceXのどちらが費用をどの程度負担するかは、両社で検討中だとしています。
Samsung Electronicsは2021年、テキサス州テイラーの半導体工場に170億ドル(約2兆7,000億円)を投じる計画を発表しました。この金額には建物、土地の改良、機械、設備が含まれ、同社の米国での過去最大の投資とされました。
Terafabの初期費用として示されたのは設備投資額で、Samsungの170億ドル(約2兆7,000億円)は工場施設全体の投資額です。両者は対象範囲が異なり、Terafabの設備投資額は数百億ドル規模とされています。
Optimusの生産計画にも関わる
マスク氏は、稼働後のTerafabをTeslaの人型ロボット「Optimus」の生産拡大に重要な資産になると位置づけました。Teslaではフリーモント工場の生産ラインで初期生産が始まり、週約2万台という目標に達するまで少なくとも1年、場合によってはそれ以上かかるとの見通しです。
Optimusの手を含む電気機械設計には課題があり、マスク氏は2027年末までの解決を見込んでいます。顧客への納入開始も同時期とし、当初は危険な作業や反復作業を担う産業向け企業を想定しています。











