
533人を介入終了後も追跡
イスラエルの研究チームは、過去に食事や生活習慣の臨床試験に参加した成人533人を、介入終了から5〜16年後に調べました。内臓脂肪の量や脳の構造をMRIで測定し、認知機能も検査しています。
追跡時点の参加者は平均61.4歳で、86%が男性でした。元の試験では、食事や生活習慣を18〜24か月にわたって見直していました。研究チームは介入前後などに測定した脂肪量も、長期追跡時の結果と照らし合わせました。
認知機能の評価には、認知機能の低下を調べる標準的な検査「MoCA(モカ)」を使いました。研究チームが比べたのは体重だけではなく、内臓の周囲につく内臓脂肪と、皮膚の下につく皮下脂肪の変化です。
内臓脂肪と脳の指標に見られた関連
追跡時点で内臓脂肪への長期的な曝露が少ない人ほど、MoCAの得点が高い傾向がありました。また、介入中に内臓脂肪が減った人は、数年後の脳容積が大きい傾向を示しました。この関連は、体重減少を考慮した分析でも見られました。
脳と脂肪のMRIを3回受けた参加者では、長期にわたる内臓脂肪が少ないことと、脳の萎縮速度が遅いことが関連していました。介入中の脂肪の変化と、その後の脂肪の状態は、どちらも長期追跡時の脳の指標と結びついていました。
一方、深部・表層の皮下脂肪では同様の関連が確認されませんでした。BMI(身長と体重から算出する体格指数)についても、脳容積との相互作用は有意ではなく、今回の分析では内臓脂肪と同じ関連を示していません。
皮下脂肪とは異なる結果
内臓脂肪と皮下脂肪では、脳容積や認知機能との関連に違いが見られました。
血糖調節との関連と研究の範囲
長期的な脳の指標との関連を調べると、脂質や炎症の指標よりも、血糖調節に関する指標との関連が主に見られました。研究チームは、内臓脂肪の減少と脳の結果を結ぶ経路に、血糖調節の改善が関わる可能性を示しています。
ただし、この研究は内臓脂肪の減少が脳の変化を直接引き起こしたと証明するものではありません。介入終了後の長期追跡で観察された脂肪量と脳・認知機能の関連を含むため、結果は因果関係ではなく関連として読む必要があります。
参加者の86%が男性だったことも、結果を他の集団に当てはめる際の条件になります。










