出典: asset.watch.impress.co.jp

国民生活センターは、SNSでのチケット転売をめぐり、代金を送った後に相手と連絡が取れなくなる事例などを挙げ、正規の販売ルートを使うよう呼びかけました。チケット転売仲介サイトでも、代金を払ったのにチケットを受け取れない相談が寄せられています。購入先によっては、チケットが届いても入場を断られる可能性があります。

SNSで送金後に連絡が途絶える事例

国民生活センターに寄せられた相談では、20歳代の女性がSNSで「定価で譲ります」という投稿を見つけ、アイドルグループの公演チケット2人分を約2万円で購入しようとしました。相手から運転免許証の画像を受け取った後、決済サービスアプリに警告が表示されたものの送金し、その後、相手と連絡が取れなくなりました。

相談者は、SNS上で相手がほかの人にもチケットを売ろうとしていたようだと述べています。国民生活センターが紹介した別の相談では、野球観戦チケットを転売仲介サイトで大人4人分、約50万円で購入した女性が、試合当日に出品者からチケットを受け取れず、観戦できませんでした。

この相談では、購入者が会場で出品者を約3時間探したものの見つからず、仲介サイトに返金を求めても、出品者と話すよう案内されたといいます。

非公式のチケットは入場できない場合も

チケットは、興行の主催者、正式な販売許可を得たプレイガイド、ファンクラブ、アーティストの公式サイトなどから購入するのが基本です。国民生活センターによると、正規販売ルートでは定価で購入でき、公演が延期または中止になった場合に払い戻しなどの補償を受けられます。

転売仲介サイトを使う場合は、購入前に公演の公式サイトで転売の可否や、仲介サイト経由のチケットでは入場できない場合があるといったルールを確認するよう、国民生活センターは促しています。検索結果から販売サイトに進む際も、正式な販売サイトか転売仲介サイトかを見分ける必要があります。

国民生活センターが紹介した仲介サイトでの相談では、出品者と受け取り方法を決めていても、当日にチケットを受け取れず観戦できませんでした。SNSや仲介サイトで取引が成立しても、チケットの受け取りや会場への入場が保証されるわけではありません。

法律の対象となるチケットと転売

チケット不正転売禁止法の対象となる「特定興行入場券」は、国内で行われる芸術・芸能やスポーツイベントなどの入場券のうち、法律で定めた要件を満たすものです。消費者庁の解説では、開催日時と場所、座席または入場資格者が指定され、購入者などの氏名と連絡先を確認する措置や、主催者の同意のない有償譲渡を禁止する旨が券面に示されていることなどが要件として挙げられています。

同法が禁じる不正転売は、主催者の事前の同意を得ず、反復継続の意思をもって、対象チケットを主催者側の販売価格を超える価格で有償譲渡することです。禁止対象には、特定興行入場券を不正転売する行為に加え、不正転売を目的にチケットを譲り受ける行為も含まれます。

対象チケットを不正転売した場合の罰則は、1年以下の懲役、100万円以下の罰金、またはその両方です。個人による転売も、反復継続の意思や販売価格などの条件を満たせば対象になり得ます。

公式リセールと相談窓口を利用

購入した公演に行けなくなりチケットを譲りたい場合、国民生活センターは主催者などが提供する公式リセールサービスの利用を案内しています。公式リセールでは、希望する人に定価でチケットを再販売できます。

送金後に相手と連絡が取れなくなったなど、トラブルが起きた場合は、最寄りの消費生活センターや消費者ホットライン「188」に相談できます。188は、居住地域の消費生活センターなどを案内する全国共通の電話番号です。

国民生活センターが2023年に公表した相談事例でも、SNSで個人からチケットを譲り受けるために代金を送金した直後、相手にブロックされて連絡が取れなくなったケースが紹介されています。国民生活センターは、少しでも不安があれば消費生活センターなどへ早めに相談するよう案内しています。