
大林組は、PC橋梁工事の柱頭部を移動作業車で構築する「クラッベワーゲン工法」を開発しました。大型ブラケットと足場支保工の組み立て・解体を省き、従来工法と比べて工程を約30%短縮して省人化につなげます。高所作業を減らし、安全性の向上にも寄与するとしています。

張出し架設で必要になる柱頭部
プレストレストコンクリート(PC)橋梁の張出し架設は、山岳部や河川部で橋桁を架設する工法です。橋脚の上に設けた柱頭部に移動作業車を据え、橋桁を伸ばしていきます。

移動作業車は張出し架設に使う専用設備です。2基を柱頭部に設置し、左右へ同時に張り出して橋桁を架設します。柱頭部は、橋脚の上でこの2基を支える部分です。
従来工法では、2基の移動作業車を置ける幅の柱頭部を先に構築します。そのため足場支保工を設けて組み立て、施工後に解体する必要がありました。この作業は柱頭部の構築作業の約半分を占め、高所作業でもありました。
柱頭部を3段階で構築
新工法では、まず橋脚と同じ幅の柱頭部を構築します。次に移動作業車を1基設置し、柱頭部の片側を施工します。
片側を構築して幅が広がった後、1基目と干渉しない位置に2基目の移動作業車を設置します。そのうえで反対側の柱頭部を構築し、柱頭部を完成させます。
この手順では大型ブラケットを使わず、足場支保工の組み立て・解体も不要です。大林組は、従来工法と比べた工程短縮率と省人化の効果を約30%としています。高所作業を減らし、安全性の向上にもつなげます。
主部材の配置とスライド機構
移動作業車の荷重をコンクリート部へ伝える部材を主部材といいます。新工法では、相対する主部材が互いに干渉しないよう配置し、幅の狭い柱頭部にも2基の移動作業車を置けるようにしました。
柱頭部の構築後は、主部材を従来の位置へ戻し、従来の施工方法に移行します。そのため、既存部材にスライド機構を追加し、主部材の位置を戻せるようにしました。
スライド機構を使うことで、主部材を短時間かつ安全に元の位置へ戻せます。移動作業車の既存設備をベースに軽微な改良を加える設計のため、大幅な構造変更や車両の改造を伴う既存工法より、受注後にも導入しやすくなっています。
PC橋梁工事への適用を進める
大林組は、クラッベワーゲン工法をPC橋梁工事に適用し、柱頭部施工の工程短縮と省人化を進める方針です。適用にあたっては、既存の移動作業車に軽微な改良を加えます。
大林組は、PC橋梁工事の生産性向上に貢献する関連技術の開発も進めます。











