Wave Cube / Scenic Architecture Office - More Images
出典: images.adsttc.com

金海湖畔に建つ約3万平方メートルの施設

中国・上海市奉賢区の金海湖東岸に、文化施設「Wave Cube」が完成しました。設計はScenic Architecture Officeが担当し、延べ床面積は2万9,700平方メートル、完成年は2025年です。湖に面した半島の敷地に建ち、SF作品『三体』を題材にした展示や体験施設と、教育・地域交流の機能を組み合わせています。

設計には波の形が取り入れられています。Scenic Architecture Officeは、山や水の連なり、建築の屋根、細胞の形などに波との形態的なつながりを見いだし、「Free Cells」と呼ぶ設計の考え方を探ってきました。同事務所は、Wave Cubeでその考え方を技術と空間体験の組み合わせとして試したとしています。

施設はテーマパークと文化センターの機能を備え、展示や演劇、参加型の体験、科学教育、飲食などに利用されます。建物の形に加え、内部空間や来訪者向けの活動にも波とSFのテーマが反映されています。

三層の構成で湖畔の通り道をつくる

建物は、波打つ三つの層を上下に重ねた構成です。地上部の「Green Hills」は、地面と一体化する八つのコンクリートシェルで、入口、展示空間、カフェなどを収めます。シェルの間には連続した公共空間があります。

中央の「Vaulted Void」は半屋外空間です。湖畔の遊歩道が建物の下を通り、周辺の水辺と施設内の動線をつないでいます。その上に「Wave Pavilion」があり、大きな屋内公園として計画されました。

二階の空間は約6,400平方メートルで、没入型のSF展示を行う北東側の「Dark Zone」と、湖を望む西側の「Light Zone」に分かれています。屋上には歩いて利用できる草地が設けられ、波打つ地形のような緑の屋上が湖畔に連なります。

『三体』を題材にした展示と参加型体験

二階には「Three-Body Future Academy」があり、劉慈欣の小説『三体』をもとにした体験を提供します。科学劇場では、小説に登場する科学的な概念を扱います。館内では中国SF文学やSFを題材にしたアート作品に触れられ、カフェも利用できます。

「Droplet Theater」では、昇降式の舞台、吊り装置、スクリーン投影、レーザーなどを組み合わせた演出を行います。81枚の鏡を使った構成もあり、投影と光の演出で『三体』シリーズの場面を表現します。ライブパフォーマンスも行われます。

参加型施設には、ドームと床面への投影を使う「Dome Challenge Arena」や、複数人で宇宙戦闘を体験する「Deep Space Battle」があります。「Dome Challenge Arena」では参加者の動きに床面の映像が反応し、案内役の仮想キャラクターに従ってチームで課題に取り組みます。「Deep Space Battle」は動くコックピットと円形LEDスクリーンを備えています。

27メートルの張り出しと開館時の案内

建物には、約54メートルのスパンと約27メートルの片持ち部分があります。設計チームは構造コンサルタントとともに、プレストレストコンクリートを使ったシェルと折板を組み合わせる構造を開発しました。設計チームは、波打つ形状の大きな空間を実現するため、設計と構造の検討を重ねたと説明しています。

館内には、全長13メートルの「Natural Selection」の機械模型もあります。通常モードでは武器リングが回転し、照明が変化します。自己診断モードでは、システム診断や推進、武器展開を模した動作を行います。また「Wallfacer Project Study Room」では、シミュレーションや思考実験を通じて、参加者が戦略や危機対応を考えます。

City News Serviceは、施設が2025年7月5日に開館すると伝え、開館時のセット券を平日1人148元、子ども・学生・高齢者など対象者向けに138元と案内しました。セット券にはThree-Body Future Academy、Droplet Theater、Deep Space Battleが含まれ、Deep Space Battleは単独購入できないとしています。