写真:奈良ホテル 全景
出典: narahotel.co.jp

奈良ホテル本館が、国の重要文化財(建造物)に指定される見通しとなりました。文化審議会が2026年10月16日に文部科学相へ答申し、明治後期の本格的なホテル建築としての価値や、古都奈良の景観と調和する意匠が評価されました。指定されれば、営業中のホテル単独の建物として初の例です。

写真:本館ロビー桜の間
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文化審議会が答申した本館の価値

本館は1909年に竣工し、同年に開業しました。明治後期に建てられた本格的なホテル建築です。

写真:大階段
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奈良ホテルは春日山から延びる飛鳥山に位置し、南に名勝の旧大乗院庭園、東に奈良公園を望みます。本館は、古都の景観との調和を意識した和洋折衷様式です。

文化審議会の答申は指定に向けた手続きの段階です。本館を所有するJR西日本は、2026年10月16日に指定内定を発表しました。

辰野金吾が設計した木造建築

本館を設計したのは、東京駅などを手掛けた建築家の辰野金吾です。建物は木造2階建てで、和洋折衷の様式を取り入れています。

本館は桃山御殿風の檜造りで、館内には吹き抜けの大広間と大食堂があります。客室は1階と2階に計62室あり、奈良公園側と奈良町側に分かれています。

多くの客室にはマントルピースと呼ばれる暖炉が設けられていますが、一部にはありません。窓からは、部屋の位置に応じて奈良公園や庭園を望めます。

開業から1世紀を超えて営業

建築当初の趣を残す本館と、自然やアートを取り入れた西館が、現在の施設を構成しています。

西館は2026年9月にリニューアルオープンしました。本館の文化財指定に向けた答申と、西館の改装後の営業が同じ時期に進みました。

指定後に関わる保存の仕組み

重要文化財は、文化財保護法に基づいて国が指定する文化財です。文化庁は、文化財の現状を変える行為などに制限を設け、保存や修理に対する補助を行う仕組みを案内しています。

指定後は、奈良ホテル本館も文化財保護の制度のもとで保存されます。