toei.co.jpのページ
出典: toei.co.jp

海外売上比率50%を目指す中長期戦略

東映の吉村文雄社長は、台湾で開かれた台湾クリエイティブ・コンテンツ・フェスト(TCCF)のフォーラムで、既存IPの海外展開や現地企業との共同制作、生成AIの活用、ゲーム事業について説明しました。東映グループは中長期ビジョン「TOEI NEW WAVE 2033」で、2033年3月期に売上構成に占める海外比率を約50%にする目標を掲げています。

このビジョンでは、2023年3月期の海外比率を約30%とし、実写・アニメの映像事業を強化してグローバル展開を加速する方針です。2033年に向けた成長投資として、コンテンツに2,400億円、事業基盤の強化に600億円を予定しています。

投資の内訳は、事業基盤強化分のうち製作設備関連が360億円、不動産関連が240億円です。東映は、企画・製作力の強化、作品の配信やゲーム、商品などへのマルチユース、IPのライフサイクル長期化を重点施策に挙げています。

輸出に加え、現地企業と作品を制作

東映は、作品をそのまま海外へ輸出するだけでなく、リメイクやローカライズ、現地発のオリジナル作品にも取り組んでいます。吉村社長は、現地の人材と作品を作り、まず現地で公開した後に世界へ販売する「ローカルファースト」のモデルを進める考えを示しました。

仮面ライダーは台湾などで配信され、東映はインドで2025年に紹介イベントを開き、ディズニー関連会社とコンテンツ配給契約を結びました。フィリピンでは、現地局GMAが制作した実写版「Voltes V: Legacy」が2023年に放送され、同国で視聴率上のヒットとなり、日本でも放送されました。

台湾企業との共同制作では、マリコ・テツヤ監督、西島秀俊さんとグイ・ルンメイさんが出演する映画「Dear Stranger」や、ホラー映画「The Rope Curse 4: Kuntilanak」に取り組みました。タイのM Studioとはタイ語リメイクや現地作品の企画を進め、韓国のShowboxとも、伊藤潤二さんの漫画を原作とするホラー作品を制作しています。

制作設備、生成AIと国内ロケ支援

東映は東京と京都のスタジオでバーチャルプロダクションとモーションキャプチャーの設備を拡充し、制作工程へのAI導入も進めています。吉村社長によると、若手プロデューサーの製作予算見積もりを補助するツールや、背景美術へのAI利用を試しており、生成AIによる画像生成も実験しています。

経済産業省のロケ誘致支援は、海外の制作会社などが日本国内で映像作品を撮影する事業を対象としています。補助率は対象経費の2分の1で、上限額は10億円です。

対象経費には、撮影期間中に応募事業者自身が支出した製作関係費やスタッフ・キャスト費のほか、VFX編集費、録音費などのポストプロダクション費用が含まれます。東映は米国のアクションスリラー「Iris」で施設を提供し、キャスティングと同制度への申請も支援しました。

2027年にゲームを発売へ

ゲームも東映が新たに取り組む分野です。吉村社長は、ゲームを世界規模のエンターテインメント媒体と位置づけ、各国の利用者に届けることが海外展開の方針に沿うと述べました。

東映の初作品となる「Hino」はUngloom Studioが制作し、2027年春の発売を予定しています。続いて「Debug – Nephemee」と「Killa」を同年後半に投入する計画です。

3作品はSteam、Nintendo、Xboxを含む複数のプラットフォームやゲーム機で配信する予定です。