出典: fashionsnap-assets.com

愛媛県松山市に12月19日、「石本藤雄デザインミュージアム」が開館します。マリメッコで32年間テキスタイルデザイナーを務め、陶芸作品も手がけた石本藤雄の創作活動をたどる施設です。建築は伊東豊雄が設計しました。

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松山に開く石本藤雄のミュージアム

施設を運営するのは、愛媛の地域資源を基盤に事業を展開するYES LOCALです。所在地は松山市大街道3丁目2-40、開館日は2026年12月19日です。

石本は1941年、愛媛県砥部町に生まれました。東京藝術大学美術学部工芸科を卒業後、1970年にフィンランドへ移住し、1974年から2006年までマリメッコでテキスタイルデザイナーを務めました。

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また、1989年から2020年まで、フィンランドの製陶所アラビアのアート部門に所属し、陶芸作品を制作しました。ミュージアムでは、布と陶にまたがる活動を、時代ごとの経験とともに紹介します。

木柱が連なる伊東豊雄の建築

伊東が設計した建物は地上3階建てです。石本の作品に通底する「自然へのまなざし」を踏まえ、自然の中で作品と過ごせる空間を目指しています。

建物の内部には、1階から3階までを貫く木柱が林立します。フィンランドで50年間暮らした石本の歩みに敬意を表し、来館者を森へ招き入れるようなデザインにしたといいます。

1階にはミュージアムストアを設けます。石本と開発チームが1年半以上かけて制作した「こんぺいとう」「みかんジュース」「えびすさまと鯛めし」「タオルハンカチシリーズ」などを販売します。

3つの時代をたどる開館記念展

開館記念展「いしもとふじお物語I―あしもとへのまなざし―」は、12月19日から2027年5月30日まで開催します。展示はミュージアムの2階と3階をめぐる2部構成です。

展覧会では、幼少期を過ごした「砥部時代」、東京で知識や経験を培った「東京時代」、マリメッコやアラビアで活動した「ヘルシンキ時代」を時系列で振り返ります。それぞれの土地での経験や出会いを手がかりに、創作の歩みを紹介します。

ミュージアムを象徴する「Room of Ilo(喜びの部屋)」では、ファブリックと花や草木をモチーフにした陶芸作品によるインスタレーションを行います。会期は開館記念展と同じく、2027年5月30日までです。

自然のモチーフを布と陶に展開

石本は、制作にあたって日本らしさや北欧らしさを意識せず、これまで見て感じたものが作品に影響すると語っています。東京藝術大学に通っていた頃には、東京国立博物館で日本美術を見ていたと振り返りました。

マリメッコで手がけたテキスタイル「ケサント(休閑)」について、石本は日本の盆提灯に描かれた植物からイメージしたと説明しています。季節を限定せず、日本やフィンランドに生える草花を描き、大きなフキの葉も取り入れました。

アラビアで制作した陶芸作品には、花や果実のレリーフなどがあります。石本は、テキスタイルで扱った自然のモチーフが陶芸では立体になって表れたような作品だと語っています。布と陶で素材を変えながら、自然のかたちを表現してきました。