頻繁な昼寝などと認知症リスクの関連
65歳以上の米国の高齢者995人を追跡した研究で、昼寝の頻度や意図、長さが認知症の発症リスクと関連していました。毎日またはほとんど毎日昼寝をする人は、昼寝をほとんど、またはまったくしない人に比べ、認知症リスクが48%高くなりました。
意図せず眠ってしまう人では39%、昼寝が30分以下の人では40%、それぞれ認知症リスクが高いという関連がありました。年齢や健康状態、夜間の睡眠時間、日中の眠気、睡眠時無呼吸のリスクなどを考慮した後も、これらの関連は残りました。
研究開始時点で参加者に認知症はなく、研究チームは米国の高齢者を対象とする「National Health and Aging Trends Study」のデータを分析しました。認知症の状態は臨床診断ではなく、検証済みのアルゴリズムによって分類されました。
昼寝が原因とは限らない
今回の研究は観察研究であり、昼寝が認知症を引き起こすと証明したものではありません。脳の変化が昼間の眠気を強め、昼寝が増える可能性もあるため、昼寝と認知症の関連は双方向かもしれないと研究者らは述べています。
認知症の診断が追跡開始から5年以内についたケースを除いて分析しても、頻繁な昼寝と意図しない昼寝の関連は同程度に残りました。この結果は、昼寝の変化が診断より前に現れる可能性と整合しますが、因果関係を確定するものではありません。
昼寝の習慣は自己申告に基づいており、思い出し方による誤差が生じる可能性があります。また、診断方法にも限界があるため、研究者らは昼寝と夜間睡眠を客観的に測る長期研究が必要だとしています。
過去の研究では結果が分かれていた
高齢者の昼寝と認知機能を扱った過去の研究は、一貫した結論を示していません。昼寝の長さや頻度が高いリスクと結びついた研究がある一方、関連が見つからなかった研究や、短い昼寝に利点を示唆する研究もあります。
2022年までに公表された研究を対象にした系統的レビューとメタ分析では、60歳を超える参加者95,719人を含む25研究が検討されました。内訳は横断研究18件、縦断研究7件で、昼寝と全般的な認知機能、記憶との関連を別々に分析しています。
統合分析では、縦断研究における全般的な認知機能との関連はオッズ比1.00、記憶との関連は1.08で、いずれも統計的に明確な関連を示しませんでした。横断研究でも、記憶との関連は明確ではありませんでした。
昼寝を認知症予防にどう位置づけるか
過去のメタ分析は認知機能や記憶全般を対象にしたのに対し、今回の研究は認知症の発症と昼寝の特徴を調べています。対象や評価項目が異なるため、過去の分析で関連が明確でなかったことと、今回の関連がただちに矛盾するわけではありません。
研究者らは、昼寝の習慣を高リスクの高齢者を見つける手がかりとして活用できる可能性を挙げています。一方、昼寝を変えることで認知症の発症を遅らせたり防いだりできるかどうかは、今後の研究で確かめる必要があるとしています。











