MU researcher uses gene-editing tool to improve productivity in rice crops
出典: showme.missouri.edu

イネの細菌性白葉枯病に抵抗性

ミズーリ大学の研究チームは、AIが設計した遺伝子編集ツールを使い、細菌性白葉枯病に抵抗性を持つイネを作製しました。この病気は収量や品質を損ない、アジアやアフリカの一部地域では収穫や農家の生計を脅かしています。

研究チームが使ったのは、カリフォルニア州のバイオテクノロジー企業Profluentが開発した「OpenCRISPR-1」です。動物細胞での使用例があったこのツールを、Bing Yang氏らがイネ向けに応用しました。

遺伝子編集は、DNAに狙いを定めた変更を加える技術です。今回の研究では、病気に弱くなる要因に関わる遺伝子を編集し、イネの抵抗性を高めました。

AIモデルが編集ツールを設計

OpenCRISPR-1の設計研究では、研究者らが微生物のゲノムやメタゲノムからCRISPR関連の配列を集め、100万件を超えるCRISPRオペロンを含むデータセットを構築しました。オペロンは、関連する遺伝子などがまとまった単位です。

研究者らはタンパク質配列を学習した言語モデルをCRISPR関連データで調整し、Casタンパク質などの配列を生成しました。さらに、Cas9に似た働きをするタンパク質に合わせて、標的を指定するガイドRNA配列も設計しました。

この研究では400万件の配列を生成し、自然界で見つかったものと比べて、配列の多様性を示すタンパク質クラスター数が4.8倍に広がりました。OpenCRISPR-1は塩基編集との併用にも対応することが示されています。

従来の抵抗性育種との違い

細菌性白葉枯病への対策では、抵抗性品種の利用が有効とされ、従来の育種では病原菌の系統に対応する抵抗性遺伝子が使われてきました。イネで利用されてきた遺伝子にはXa4、xa5、xa13、Xa21があります。

こうした抵抗性遺伝子は、従来育種や分子育種を通じて品種に取り入れられてきました。ミズーリ大学の研究は、既存の抵抗性遺伝子を交配で導入する方法とは異なり、遺伝子編集でイネのDNAを変えるアプローチを示しています。

フィリピンの4地点で5シーズンにわたり抵抗性品種と感受性品種を比較した研究では、抵抗性品種で病気の発生率が全般に低くなりました。発生率の違いは主に二次的な感染拡大の抑制によると分析されています。

商業栽培には追加段階

今回の成果は研究室で扱う系統で得られたもので、農家が栽培する商業品種に導入するには、研究成果を移す作業が残っています。研究チームは、追加試験や規制上の手続き、商業化に向けた企業との連携も必要としています。

Yang氏は、農家がこのイネを栽培できるようになるまで数年かかる可能性があると述べています。

同じ手法はトウモロコシや大豆にも応用できる可能性があります。OpenCRISPR-1は研究や作物のゲノム編集に無償で使えるオープンソースとして公開されており、研究者や企業が利用できます。