Breaching humpback whale
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商業捕鯨の再開につながる決議案は撤回

国際捕鯨委員会(IWC)の第70回会合で、商業捕鯨の再開につながる可能性がある決議案が撤回されました。商業捕鯨を一時停止するモラトリアムは維持され、会合では座礁した鯨類のデータ収集や船舶衝突への対策など、別の保全策も承認されました。

アンティグア・バーブーダが提出し、パラオやトーゴなどが共同提出国となった案は、「鯨資源の持続可能な利用」を議論する道筋を設ける内容でした。採択されれば、鯨資源の管理や商業捕鯨の再開に向けた検討を始める可能性がありました。

案は会合最終日にグレナダが撤回しました。IWCは1982年にモラトリアムを決め、1985~86年の漁期から実施しており、今回の決議案が取り下げられたことで、その枠組みは維持されています。

決議案が提案した管理制度の見直し

決議案は、IWCの活動を見直す特別作業部会を設け、改訂管理方式(RMP)と改訂管理制度(RMS)を検討するよう求めていました。RMPはヒゲクジラの捕獲枠を科学的に算定する手法で、RMSは捕獲枠の遵守を確認するための監視・検査の枠組みです。

案は、RMPの実施を再検討する有用性や、監視・管理の交渉を再開するための枠組みづくりも作業部会に託すとしていました。科学委員会には、検討に使う科学的助言を提供するよう求めていました。

提出案は、モラトリアムを一時的な措置と位置づけ、見直しが未完了だと主張していました。また、IWCの管理の下にない海域で商業捕鯨が行われていることを挙げ、委員会の管理機能を再検討するよう促していました。ただし、この案は撤回され、作業部会の設置やRMPの再検討は決まりませんでした。

モラトリアムの例外と各国の扱い

モラトリアムへの異議や留保は、条約上の手続きを通じて適用されます。IWCによると、ノルウェーは決定時に正式な異議を登録し、アイスランドは2002年に委員会へ復帰した際に留保を付けました。

両国は独自に捕獲枠を定める一方、捕獲数や関連する科学データをIWCに提出しています。日本は2019年にIWCを脱退して商業捕鯨を再開し、脱退後はモラトリアムの拘束を受けていません。

Irrawaddy dolphins
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アニマル・ウェルフェア・インスティテュート(AWI)は、異議や留保に加え、条約上の特別許可制度も例外として挙げています。同団体によると、アイスランドは特別許可の下で捕鯨を続けた後、2002年にモラトリアムへの留保を登録しました。日本は1982年に異議を登録したものの1985年に撤回し、1987年から2019年まで特別許可による捕鯨を実施したとされています。

保全策の前進と残った課題

会合では、鯨類の座礁データの収集・共有、魚の浮き袋を取引する過程で生じる鯨類の混獲、船舶との衝突をめぐる決議が承認されました。一方、南大西洋に約2,100万平方キロメートルの鯨類保護区を設ける案は、今回も可決されませんでした。

IWCは捕鯨規制に加え、混獲や船舶衝突などへの対応にも取り組んでいます。2024年の会合報告では、絡まった漁具から鯨類を救助する国際的な能力づくり、船舶衝突の防止、重要な種や個体群の保全管理計画が活動として挙げられています。

同報告によると、条約の規制表に関する改正は4分の3以上の賛成を要する一方、決議は単純過半数で採択され、各国の国内法を通じて実施されます。気候変動については、2018年の法学論文が、餌や生息域への影響などを挙げ、IWCの調査に見合う管理上の対応が整っていないと評価しました。

Pilot whales
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同論文は、海洋保護区などを含む生態系全体を考慮した管理を提案し、鯨類保護区の設計を気候変動に対応させる法的・政治的な可能性を検討しています。今回の会合では、オブザーバーのマーク・ワージング氏が、気候変動が優先課題として扱われず、米国が委員会の作業計画から「気候変動」の文言を削るよう働きかけたと批判しました。

保護の成果と次回会合

商業捕鯨の停止後に回復した鯨の例として、ザトウクジラが挙げられています。1982年にモラトリアムが採択され、1985~86年の漁期から実施されたという経緯は、今回の決議案をめぐる議論の前提にもなっています。

米国の絶滅危惧種保護法では、2016年にザトウクジラの14個体群のうち9個体群が保護対象から外されました。一方、回復の度合いは鯨種や個体群によって異なり、北大西洋セミクジラなど、危機的な状態にある鯨も残ると報告されています。

次回のIWC会合は2028年に予定されています。オーシャンケアのファビエンヌ・マクレラン氏は、商業捕鯨を支持する国々が同様の決議案を再提出する可能性があるとして、保全を重視する国々に準備を求めました。

Beaked whale
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