
Liquid AIは、推論時に1トークンあたり2Bのパラメータが稼働する大規模言語モデル「LFM2.5-24B-A2B」を公開しました。ツールを使うエージェント向けに設計され、同社の評価では複数のエージェント関連ベンチマークで競合モデルと同等以上のスコアを記録しています。モデルはオープンウェイトで、端末上で実行できます。
ツール利用と指示追従の評価で強み
Liquid AIは、ツール利用やエージェントの作業を含む16のベンチマークでモデルを評価しました。比較対象はQwen3.6-35B-A3B、Gemma-4-26B-A4B-it、Nemotron-3.5-Lightningで、LFM2.5-24B-A2Bは総パラメータ数が最も少ないモデルでした。
エージェント関連の指標では、LiveClawで48.09、AutomationBenchで27.69を記録しました。比較対象のうち、Qwen3.6-35B-A3Bは同じ順に38.19と8.72です。Liquid AIは、評価した8つのツール利用・エージェント系ベンチマークのうち5つで、同モデルが競合に並ぶか上回ったとしています。
指示追従の3指標でも同モデルが比較対象を上回りました。一方、GPQA DiamondやHLEなど知識を問う指標、SWE-Bench VerifiedやSciCodeなどコーディング指標では、より高いスコアの比較モデルがあります。Liquid AIは、知識を多く必要とする用途では検索やウェブ検索との併用を勧めています。
24Bのうち2Bがトークンごとに稼働
LFM2.5-24B-A2Bは、Mixture of Experts(MoE)方式を採用しています。MoEでは、ルーターと呼ばれる仕組みが入力トークンを処理する専門ネットワークを選びます。モデル全体のパラメータ数は24Bですが、Liquid AIによれば、各トークンで稼働するのは2Bです。
2Bはトークン処理に参加するパラメータの規模を示し、24Bはモデル全体に含まれるパラメータ数です。稼働しない専門ネットワークの重みもモデルに残るため、2Bという数字だけでは必要な保存容量やメモリ量は決まりません。
稼働パラメータ数は計算量を考える手掛かりになりますが、同じ規模の密なモデルと処理性能が等しいことを意味するものではありません。MoEにはルーターや注意機構なども含まれ、実際の推論速度はモデルの構成や実行環境にも左右されます。LFM2.5-24B-A2Bでは、従来モデルの構成を保ちつつ、コンテキスト長を32,768トークンから131,072トークンへ広げています。
端末での速度と実行環境
Liquid AIの測定では、LFM2.5-24B-A2BはApple M5 Maxで毎秒184トークン、AMD Ryzen AI Max+ 395で毎秒114トークンを生成しました。同社は、比較したMoEモデルの中で最速で、次点のモデルより最大1.7倍速く、メモリ使用量も最少だったとしています。
GPUでは、NVIDIA B300を1基使った高並列処理で、出力速度が毎秒21,000トークンを超えました。この測定はBF16形式で、SGLang 0.5.22を用い、入力1,024トークン、出力は最大256トークンの条件で行われています。
実行基盤として、llama.cpp、MLX、vLLM、SGLang、ONNXに対応します。また、Liquid AIのデモ環境では、M5 Max搭載MacBook Pro上でHermes Agentを動かし、ツールを呼び出すタスクをクラウドAPIなしで処理しました。
オープンウェイトで公開、API利用は従量課金
LFM2.5-24B-A2Bと、追加学習前のベースモデル「LFM2.5-24B-A2B-Base」は、Hugging Faceでオープンウェイトとして公開されました。モデルをダウンロードして実行できるほか、ファインチューニングにも利用できます。
Liquid AIはAPI利用向けの料金として、入力100万トークンあたり0.10ドル、キャッシュ済み入力は0.05ドル、出力100万トークンあたり1.00ドルを提示しています。ローカルでモデルを動かす方法として、llama.cppやMLXなどの推論基盤を介してエージェント環境につなぐ手順も案内しています。











