
NASAは2026年10月、国際宇宙ステーション(ISS)の後継となる民間宇宙ステーションの提案募集を始めました。企業からの提案は12月8日まで受け付け、2027年春に契約先を選ぶ予定です。NASAは低軌道での有人活動を続けるため、初期段階で2社以上を選定します。
NASAが民間ステーションの計画を募集
募集の対象は、地球低軌道で人が滞在する商業ステーションです。NASAは、設計、建設、試験、認証、運用に加え、有人飛行の輸送サービスも含む計画を企業に求めています。
NASAによると、低軌道の拠点は研究や技術開発、乗員訓練に使い、月・火星探査に向けた準備にも役立てる想定です。ISS退役後も米国の有人活動を継続する方針です。
提案募集の最終版は、NASAが7月に草案を公開し、企業向け説明会や個別協議を行った後にまとめました。NASAは企業からの意見を踏まえ、低軌道の拠点と輸送に関する要件を盛り込みました。
初期選定後に設計・認証と運用を競争
NASAは今回、2社以上と複数社契約を結ぶ計画です。契約は固定価格方式で、必要に応じて作業を発注する無期限納入・無期限数量の形式を採ります。
初期選定後は、最終設計、試験、評価、認証、サービス提供に向けて競争を続けます。NASAは複数の候補を初期開発段階に進め、その後の作業指示で最終的な設計や運用を担う企業を選ぶ方針です。
Ars Technicaによると、今回選ばれる企業には少なくとも1億ドルが保証されます。来年始まる第2段階ではステーションの開発と認証を支援し、第3段階ではNASA乗員が民間ステーションを利用するミッションを少なくとも4回購入する計画です。
NASAが初期の乗員・物資輸送を支援
募集では、企業が提案時点で輸送事業者との契約や意向書を提出する必要はありません。NASAは民間ステーションへの最初のNASA利用ミッション4回について、輸送手段の手配も支援する方針です。
NASAは2030年の費用見積もりとして、乗員4人の飛行を3億2,500万ドル、貨物飛行を3億ドルと示しました。NASAは輸送を別途確保する負担を初期段階で軽減し、企業がステーション建設などの計画を提案しやすくする方針です。
背景には、NASAが利用できる米国の有人輸送手段が限られている事情があります。Ars Technicaは、SpaceXがISS退役時期にクルードラゴンの運用を終える可能性を指摘し、NASAがボーイングのスターライナー認証作業に追加で3億5,900万ドルを拠出したことにも触れています。
先行する開発支援からサービス調達へ
NASAは2024年、商業ステーション開発に関する既存の合意を変更し、ブルー・オリジンのオービタル・リーフに追加で4,200万ドルを割り当てました。これにより同社への支援総額は1億7,200万ドルとなり、設計審査や技術成熟、環境制御・生命維持システムの試験などが追加されました。
同じ変更で、ボイジャー・スペースの探索部門が進めるスターラブには5,750万ドルが追加され、支援総額は2億1,750万ドルになりました。追加の作業には、運用や組み立て、統合、試験に関する開発項目のほか、ランデブー・近接運用の実証が含まれます。
今回の募集について、スターラブを手がけるボイジャー・スペースは「重要な節目」と述べ、Axiom Spaceも提案準備を進める考えを示しました。









