London Tower Bridge 22
写真: Dronepicr / CC BY 3.0 / Wikimedia Commons

ロンドンの110人に給与8700万ポンド、株式報酬1億6800万ポンド

OpenAIの英国法人OpenAI UK Ltdでは、2025年にロンドンの従業員110人が給与8700万ポンドと株式報酬1億6800万ポンドを受け取りました。両方を合わせた1人当たりの平均報酬は231万8181ポンドです。

平均額は前年の約110万ポンドから増えました。2025年の報酬には現金の給与と株式報酬が含まれており、両者を合わせた金額が従業員ごとに同じだったわけではありません。

英国のフルタイム労働者の賃金中央値と比べると、OpenAI UK Ltdの1人当たり平均報酬は58倍に当たります。この比較は、ロンドン拠点の報酬水準が英国全体の賃金水準と大きく異なることを示しています。

株式報酬は給与とは別の形で付与

株式報酬の仕組みを理解する手掛かりとして、Levels.fyiが掲載するOpenAIの報酬情報では、株式の種類としてRSUが挙げられています。RSUは株式報酬の一種で、同サイトが示す条件では権利確定期間は4年間です。

同サイトの年次スケジュールでは、株式報酬の25%ずつが1年目から4年目にかけて権利確定します。したがって、株式報酬は給与のように現金で支給される報酬とは性質が異なり、受け取りに一定の期間が設けられています。

ロンドン拠点の2025年の平均報酬額は、給与と株式報酬を合わせた数字です。給与分は8700万ポンド、株式報酬分は1億6800万ポンドで、株式報酬の比率が給与を上回りました。

AI研究者をめぐる採用競争

高額報酬の背景には、AI分野の人材獲得競争があります。2025年はOpenAIと競合する企業もAI人材を求めており、OpenAIでは最先端モデルの開発に携わるAI研究者に大きな報酬パッケージが用意されていました。

OpenAIのロンドン拠点は、同社にとって最大の海外研究拠点です。研究部門に加え、政府対応や、企業・団体向けライセンスの販売を担う営業・マーケティング機能も置かれています。

英国法人は2025年に売上高2億9300万ポンドを記録し、利益は2030万ポンドでした。売上高は前年の3倍を超えています。

ロンドンでの拠点拡大

OpenAI UK Ltdはウェストミンスターを拠点とし、ロンドンのキングス・クロス地区に新しい本社を開設する予定です。同地区にはGoogle DeepMindも拠点を置いています。

ロンドン拠点には、英国の大学などから集まる機械学習の専門家やAI研究者が在籍しています。OpenAIはこの拠点を海外研究の中心として運営しながら、行政対応や法人向け事業も進めています。

2025年の平均報酬の上昇は、英国法人の売上拡大と同じ年に起きました。従業員110人の報酬総額では株式分が給与を上回り、報酬の構成にも株式報酬の大きさが表れています。