Prusaの「CORE One+ INDX」は、最大8つの独立したノズルを切り替えて多色・多素材造形を行う3Dプリンターです。色替え時の廃材を抑える設計ですが、試験ではPrusa製以外のフィラメントで校正や印刷に問題が起き、運用面の課題も報告されました。
専用ノズルで色替え時の廃材を抑える
INDXは、材料ごとに専用の工具(ツール)を用意し、最大8種類を使い分けます。Prusaによると、材料が通る溶融経路を共有しないため、材料同士が混ざるリスクを抑え、色や材料を替える際のパージを減らせます。
Prusaが示す色替え時間は約12秒、色または材料を替える際の廃材は約0.013グラムです。いずれもメーカー公称値で、試験での実測値とは異なります。
構成は4ツールまたは8ツールで、組み立て済みモデルと組み立てキットが用意されています。Prusaによると、4ツール構成は後から8ツールまで拡張できます。
非純正フィラメントで校正と印刷に問題
Thomas Sanladererの試験では、印刷開始時に必須となる校正シーケンスが、Prusa製フィラメントの材料特性を前提としていました。Voxel PLAではこの段階を通過できず、試験者がGコードから校正を手作業で取り除いた後も、印刷手順にPrusa製フィラメントの設定が使われていたため、造形に失敗しました。
手動で行った校正は、画面上では保存されたように見えても、次の印刷には引き継がれなかったと報告されています。そのため開始時の校正を省けず、試験者は非純正フィラメントの使用時に繰り返し問題に直面しました。
試験では、カメラの視界にも制約がありました。INDXの機構がカメラをふさぎ、印刷室を直接のぞく場合も工具を保持する部品が視界を遮るため、フィラメントが正しく装填されたかや、造形の進行状況を見分けにくかったとされています。
ノズル荷重を測る校正と樹脂の垂れ
CORE One+ INDXに搭載されるロードセルは、ノズルが造形シートに加える力を測り、ノズルがシートに十分近いかを検知します。Prusaによると、この仕組みはノズルがシートへ食い込むことによる損傷を防ぎます。
Prusaの手順では、ロードセルのテスト中に画面の指示に合わせてノズルを押し、加えた力に応じて進捗バーが動くかを確認します。バーが満たされない、または不規則に動く場合は、ロードセルの測定に問題がある状態です。
別機種のOriginal Prusa XLでは、ロードセルをセルフテスト中に校正でき、プリンターのメニューから再校正する手順も案内されています。ノズル先端から樹脂が垂れていると、金属製の先端がシートに接触する条件が変わり、力の測定に影響する可能性があります。これは荷重を検知する仕組みと、Voxel PLAの垂れが校正を妨げたという試験時の観察を組み合わせた推定です。
競合機の切り替え方式と比較
Bambu Lab H2Cは、フィラメントごとに専用のホットエンドを使う「Vortek」方式を採用しています。同社によると、ホットエンドを自動で切り替え、材料ごとに溶融経路を分ける構成です。
同社は、専用ホットエンドによってパージ廃棄を最小限にすると説明しています。
Snapmaker U1は4つの独立したツールヘッドを備え、材料を通すノズルごと交換します。Snapmakerは切り替え時間を5秒とし、従来方式より廃棄を最大85%削減できるとしています。いずれもメーカー公称値です。
Snapmakerの比較例では、造形物ごとの廃材量として、城のモデルで87.42グラム、他方式の比較対象で586.02グラムを挙げています。Thomas Sanladererの試験では、同社のXLツールチェンジャーは動作した一方、INDXは一部のPrusa製フィラメントでも苦戦したと報告されています。











