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QVCはテレビ販売に加え、TikTok Shopのライブ配信やクリエイターとの協業を年末商戦に組み込みます。11月6〜8日の催しや複数の配信形式を通じ、商品との接点を広げる計画です。 その背景には、テレビとデジタルの双方で新しい顧客を獲得し、販売網を再構築する動きがあります。

テレビとTikTokで異なるライブ販売

QVCは1986年に米国で事業を始め、テレビの生放送を販売の中心としてきました。現在はテレビで年間約6万時間、TikTokでは週約200時間のライブ配信を行っています。

両方の配信で同じ商品を扱うこともありますが、TikTokには専用のホストがいます。テレビでは商品紹介の一枠が7〜8分ほどなのに対し、TikTokでは視聴者を引きつける導入と販売を20〜30秒で行うことがあり、進行のテンポが異なります。

QVCはTikTok向けのライブスタジオを10室設けています。テレビスタジオではカメラ操作にロボット技術チームを使う一方、TikTokではスマートフォンで撮影し、セットや映像の切り替えも配信に合わせています。

商品を見せる場を使い分ける

TikTokのセットは扱う商品の種類に応じて分かれています。ファッション向けはクローゼット風、化粧品向けは商品や使用方法を近くで見せる構成で、家庭用品向けには暖炉のあるセットやキッチンを想定した場所があります。

配信では商品の実演や物語性、視聴者との信頼関係を重視しています。QVCグループのソーシャルコマース担当上級副社長、クリスティーナ・タヘリ氏は、こうした要素はテレビとTikTokのどちらにも生かせると述べています。

ホストは配信だけでなく短尺動画も制作し、毎週、配信映像をプロデューサーと振り返ります。視聴者の反応を見ながら企画を試し、クリック率やクリックから注文に至る割合などの指標も確認する運用です。

クリエイターと顧客接点を増やす

TikTok Shopでは、クリエイターが商品を動画やライブ配信で紹介し、購入につながった場合に成果報酬を得られます。 商品を選ぶためのマーケットプレイスがあり、条件を満たす商品ではサンプルを申請できます。 ブランドとの協業を希望するクリエイター向けには、コラボレーションの招待も用意されています。

QVCは自社のライブ配信とTikTok Shopでの商品販売に加え、多数のクリエイターとも協業しています。 2025年には、QVCと姉妹会社HSNがTikTok Shopを通じて米国で約100万人の新規顧客を獲得しました。

タヘリ氏によると、TikTokの顧客層はテレビの中心顧客より若い一方、TikTokの平均的な購入者より年齢が高い傾向があります。テレビでQVCを知った顧客がTikTokでも買い物をしたり、TikTokから公式サイトへ移ったりする例もあり、同社は複数の販売経路が連動する状態をさらに強めようとしています。

11月の催しから年末商戦へ

QVCは11月6〜8日に「Nonstop Holiday Party」を開催し、テレビやウェブサイトに加えてTikTokでも大型ライブ配信を行う予定です。 TikTok Shopでは、特別販売やプレゼント企画を含む90時間超のホリデー番組を予定しています。

3日間の催しでは、ブラックフライデーに先行する価格での販売が予定され、マーサ・スチュワート、ジョン・レジェンド、テリ・ハッチャーがゲストとして登場します。 QVCはテレビ、アプリ、SNS、ストリーミングなど複数の経路で商品を販売し、配信の告知を次回のライブへつなげる計画です。

2026年のホリデーキャンペーンでは、ダニエル・フィッシェルが初めて「ミセス・クロース」を務めます。 商品にはル・クルーゼ、キッチンエイド、ネスプレッソなどのブランドに加え、ココ・ロシャやレベッカ・ミンコフによるQVC限定商品の新作も含まれます。

再成長を目指す事業の組み替え

QVCグループは2026年4月、米国の一部事業について任意の連邦破産法第11章手続きを開始しました。 債権者との再建合意では、2025年末時点で約66億ドル(約1兆円)だった元本債務を約13億ドル(約2,000億円)に減らす計画を示しました。 QVCグループは8月に手続きを終え、債務を50億ドル(約7,900億円)超削減したとしています。

同社は3年間の「WIN成長戦略」を掲げ、顧客が買い物をする場所への展開、人や商品を通じた接点づくり、業務効率の向上を柱にしています。 この戦略の一環として、TikTok Shopやストリーミングを含む複数の販売経路を伸ばし、テレビ放送と並行して顧客との接点を増やしています。

QVCグループの2025年4〜6月期の純売上高は17億6,500万ドル(約2,800億円)で、前年同期の19億8,400万ドル(約3,100億円)から減少しました。 同社はTikTok Shopでの顧客獲得や年末の販売企画を進め、テレビとデジタルをまたぐ販売を再成長につなげようとしています。