
Railwayは、顧客の環境変数を保存するシステムで不審な動きを検知し、一部の変数が復号された状態で第三者に取得された可能性があると明らかにしました。環境変数にはAPIキーやデータベースの認証情報などが含まれる場合があるため、全利用者に値の更新と関連ログの確認を求めています。
環境変数へのアクセスを調査
Railwayは10月21日朝、顧客の環境変数を保存するシステムで異常な活動を検知しました。調査では、第三者が暗号化された環境変数にアクセスし、一部を復号後の状態で取得した可能性が示されています。
環境変数は、アプリが実行時に参照する設定値を保存する仕組みです。APIキーやデータベースの認証情報、コンテナイメージなどを保管するプライベートレジストリの認証情報が含まれることがあります。
アプリやサービスは、こうした認証情報を使って外部サービスやデータベースへのアクセスを認証します。資格情報が漏れると、権限の範囲に応じてデータへのアクセスや権限の拡大につながる可能性があります。IBMは、認証情報が漏えいした場合、機微なデータへのアクセスやシステムの乗っ取りにつながり得ると説明しています。
全利用者に求めた対応
Railwayは、影響が一部の利用者に限られる可能性があるとしながらも、調査中の予防措置として全利用者に環境変数の更新を勧めました。対象にはAPIキーとプライベートレジストリの認証情報も含まれ、関連サービスのログに不審な活動がないか確認するよう求めています。
認証情報を更新すると、漏えいした可能性のある値を引き続き使えない状態にできます。秘密情報を定期的に更新する運用は、万一漏えいした場合に、その情報が利用可能な期間を限ることにつながります。
秘密情報はソースコードと分けて保存し、アクセスできる利用者やサービスを必要最小限に絞ることも管理上の対策です。Microsoftは、誰がいつ秘密情報にアクセスしたかを記録し、確認できる状態にすることを推奨しています。
ビルドとデプロイを段階的に再開
調査中、Railwayは新しいバージョンを展開するデプロイを一時停止しました。10月22日にはワークスペースの種類ごとにビルド再開を進め、同日21時59分(UTC)の更新ではHobby、Pro、Enterpriseでビルドが有効になり、FreeとTrialは再開待ちでした。
再開後もビルドやデプロイに通常より時間がかかる場合があり、遅延したデプロイがキューに残る状況も報告されました。Railwayは同じデプロイを何度も実行しないよう案内し、処理の待ち時間を増やさないよう呼びかけています。
同日17時43分(UTC)の更新ではAPIが復旧した一方、インシデント前に作成されたAPIトークンとプロジェクトトークンは無効化されたままでした。Public APIやCLIでトークンを使う利用者には、新しいトークンの作成が必要とされています。
影響を受けた利用者へ個別連絡
Railwayは、影響を受けたアカウントを特定した段階で、対象の利用者にメールで連絡し、追加情報を伝えるとしています。調査範囲を絞り込みながら、告知とステータスページで更新を続ける方針です。
Railwayは今回の事案を、AI推論を提供する事業者を狙った一連の攻撃の一部とみています。AI推論サービスは、AIモデルを実行してアプリケーションに回答を返すサービスです。Railwayは関係する提供事業者に通知し、予防措置としてキーを無効化するよう伝えました。
サービスの復旧作業と認証情報の更新、ログ確認は並行して進められています。ビルド再開の状況やトークンの扱いは、ワークスペースの種類や利用する機能によって異なります。









