
Starbucksが、企業価値約390億ドルのChipotle Mexican Grillに対する買収案を検討していると報じられました。両社は協議を公表しておらず、正式な提案に進むかどうかは明らかになっていません。買収が実現した場合、資金調達のほか、両社の海外店舗網や運営方式が論点になります。
買収案は報道段階で、資金調達が焦点
報道によると、Starbucksはここ数カ月、Chipotleへの買収提案の可能性について助言者と協議してきました。Chipotleの企業価値は約390億ドル、Starbucksの時価総額は約1,070億ドルで、StarbucksはChipotleの約2.7倍とされています。
買収資金について、eToroのグローバル市場ストラテジスト、ラレ・アコナー氏は、多額の借り入れや株式発行が必要になる可能性を指摘しました。同氏は、納得できる財務上の根拠がなければ、投資家が買収を「高くつく気晴らし」と受け取るおそれがあるとも述べています。
報道が出た10月8日木曜日には、Chipotle株が約6%上昇し、Starbucks株は約3%下落しました。これは報道後の株価の動きで、買収の成立や正式提案を示すものではありません。
店舗網の差と海外展開の可能性
Chipotleは2025年末時点で米国内に約4,000店、海外に約100店を展開していました。一方、Starbucksは世界で約4万店を展開しており、両社の店舗網は規模や地域構成が異なります。
Starbucksの欧州でのライセンス提携が、Chipotleの海外展開を速める足掛かりになるとの見方もあります。Northcoast Researchのアナリスト、ジム・サンダーソン氏は、Starbucksの欧州でのライセンス提携を通じて、Chipotleの海外展開を加速できる可能性を挙げました。
Starbucksは2018年、フランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクでの事業を長年の提携先Alseaに全面的にライセンスする意向を発表しました。計画ではAlseaが各市場の店舗を運営・開発し、Starbucksはライセンス店舗を支援する地域本部を設けるとしていました。
Starbucksのライセンス方式とChipotleの出店計画
Starbucksは同じ2018年の発表で、Alseaが中南米の5市場で900店超のStarbucks店舗を運営していると説明しました。また、Starbucksは欧州・中東・アフリカ地域の43市場に3,200店超を展開し、直営店を新しい取り組みの拠点にするとしていました。
この方式では、現地パートナーが店舗の運営や開発を担い、Starbucksがライセンス先を支援します。Starbucksは、Alseaとの提携をフランスなど4カ国に広げる計画について、地域のライセンス戦略を進める取り組みと説明しました。
Chipotleは別の方法で海外出店を進めています。CNBCは2025年、ChipotleがAlseaと開発契約を結び、2026年初めにメキシコ初の店舗を開く計画を伝えました。初店の後は地域内の追加市場を検討する方針で、当時の海外店舗はカナダ58店、英国20店、フランス6店、ドイツ2店などでした。
買収側・対象側ともに立て直しを進める
買収案をめぐる報道が出た時点で、Starbucksは業績の立て直しを進めていました。ブライアン・ニコル氏は2024年9月に最高経営責任者へ就任し、待ち時間の短縮、人員配置の改善、店舗の刷新に取り組んでいます。
Starbucksは労働環境に少なくとも5億ドルを投じる方針を掲げており、この支出は利益率を圧迫してきました。同社は既存店売上高の伸びを4四半期連続で記録しましたが、ニコル氏は7月、立て直しはまだ完了していないと述べています。
Chipotleも、ニコル氏が2024年に退任して以降、客足の鈍化や食材費・人件費の上昇に直面し、株価はほぼ半分まで下落していました。両社は運営費の上昇と消費者の支出慎重化に直面しています。









