Unitreeは2026年10月21日、新型ヒューマノイドロボット「H2-X」の約1分のデモ映像を公開しました。車への跳び乗りや高さ4メートルからのジャンプに加え、人を守る動作や事故現場での救助動作を映しています。Unitreeは連続稼働時間を最大約8時間としています。
車への跳躍から人を守る動作まで
映像は、H2-Xが車に飛び乗り、車体をへこませる場面から始まります。続いて、コンテナと廃車の上に設けられた高さ4メートルの台からジャンプします。
屋外のテラスでは、武器を持った人物が近づく状況で、H2-Xが女性の前に出て距離を詰め、アクロバットな動きを見せます。この場面では、不審者への介入が描かれています。
別の場面では、車両事故に巻き込まれた人に見立てた人形を、H2-Xが救い出します。Unitreeは映像の説明欄に、ロボットを安全かつ礼儀正しく使うよう記しています。
災害対応ロボットでは移動方式が作業を左右
災害対応ロボットの研究では、車輪は平坦な場所を速く移動しやすい一方、乗り越えられる段差や地形に限界があります。脚式は不整地に対応しやすい一方で、制御や安定性の確保が難しく、移動速度も遅くなりがちです。
ボン大学の研究チームが開発したMomaroは、操舵できる車輪を脚の先に備えた移動操作ロボットです。平坦な場所では車輪で移動し、障害物がある場所では脚でまたぐ構成で、車両の運転、ドアやバルブの操作、瓦礫の通過などを想定しました。
DARPAロボティクス・チャレンジでは、車両の運転と降車、ドア開け、バルブ操作、壁の切断、瓦礫や階段の通過など8課題が設けられました。Momaroのチームはそのうち7課題を34分で解決し、総合4位となりました。
人型の操作性と遠隔操縦の課題
ボン大学の災害対応ロボットに関する講演では、既存ロボットの課題として、不整地・階段・瓦礫での移動、単純な先端器具による操作、操縦者の状況把握が挙げられています。人型の上半身と両腕は、ドアや工具など人向けの対象を扱う作業に関係します。
Momaroの研究では、操縦者が頭部装着型ディスプレイで3D環境を見ながら、手の動きをロボットの腕に反映させる遠隔操作を導入しました。複雑な環境では人の判断を取り込めますが、通信の遅延や帯域制限への対応も必要でした。
ボン大学の講演では、遠隔操縦には柔軟性がある一方、操縦が難しく、誤りも起こりうると指摘されています。一般的な移動や操作の自律化が課題として挙げられています。
人の近くで動くには安全設計が必要
Fraunhofer IFFは、人と協働するロボットの安全性を機体だけでなく、作業工程、把持具、対象物、センサー、配置を含むシステム全体で評価するとしています。用途や配置、工具、対象物を変える場合は、リスク評価も改めて行う必要があります。
安全手法には、人が作業領域に入ると停止する方式や、人との距離を監視して停止する方式、接触時の力を制限する方式などがあります。自律ロボットでは起こりうる状況をすべて試験・測定するのが難しく、予測しにくい動作の安全評価が課題です。
2026年の研究では、人との接触を種類別に推定し、身体部位ごとの痛みや負傷のしきい値に対してロボットの運動エネルギーを検証する安全手法が提案されました。研究チームは実験で接触時の安全制約を満たし、比較対象となった従来手法より協働作業を15.9%速く完了したと報告しています。
Unitreeの従来機と公開映像の位置づけ
UnitreeのH1は、身長約180センチ、重量約47キロの汎用ヒューマノイドです。3D LiDARと深度カメラを搭載し、歩行や走行を含む移動能力を備えています。
H1-2は身長約178センチ、重量約70キロで、27自由度の構成です。脚関節の最大トルクは360ニュートンメートルとされています。
今回のH2-X映像は跳躍や救助動作を描いていますが、映像での実演と災害現場での運用実績は別の段階にあります。











