シカゴ・マラソンでは、男女の優勝者がアディダスの「Adizero Adios Pro Evo 3」を着用しました。男子のアモス・キプルトは自己ベストを更新し、女子のハウィ・フェイサは2年連続で優勝しました。厚底シューズの研究では走行効率の改善が報告されていますが、改善幅は条件やランナーによって異なります。
男女の優勝者が同じモデルを着用
キプルトは2時間1分9秒でフィニッシュしました。4月のロンドンで記録した2時間1分29秒を20秒縮め、自己ベストを更新しました。
フェイサは2時間13分33秒で優勝し、シカゴでの連覇を果たしました。
シカゴ大会には5万5,000人を超えるランナーが参加し、コースはグラント・パークを発着点とする26.2マイルでした。男子2位のタデセ・ビキラも同じモデルを着用し、3位のミレケサ・メンゲシャはナイキの「Apex」を履いていました。
今季の大会で続くアディダス勢の上位進出
シカゴの前月には、アディダスがベルリン・マラソンの男女上位3人全員にシューズを提供しました。男女の表彰台を1ブランドが独占するのは2017年以来とされています。
ロンドンでは、同モデルを履いたセバスチャン・サウェとヨミフ・ケジェルチャが、初めて2時間を切るマラソン記録を出しました。女子ではティグスト・アセファが、女子のみのレースにおける世界記録を2時間15分41秒で更新しました。
このモデルは男性用9.5サイズで97グラムとされ、前モデルよりランニングエコノミーを1.6%改善するとされています。軽量フォーム「Lightstrike Pro Evo」は従来品より50%軽く、アッパーにはカイトサーフィンの帆から着想を得た織り素材が使われています。
ランニングエコノミーの改善幅は一律ではない
ランニングエコノミーとは、一定の速度で走るために必要なエネルギーの効率を指します。10人の長距離ランナーがカーボンプレート入りの「Nike ZoomX Vaporfly Next%」と従来型シューズを比べた研究では、前者の走行効率が平均で5.7%高くなりました。
同じ研究では、プレート入りシューズの着用時に、足首が接地中により底屈した状態でした。一方、ほかに測定された動作・力学指標には、シューズ間で有意な差がありませんでした。
個人別の結果には幅があり、最も改善したランナーでは17.2%向上した一方、1人は4.3%低下しました。改善幅の大きい人と小さい人では、足首や股関節、膝の動きに違いが見られ、平均値だけでは個人ごとの効果を表しきれません。
プレートの硬さや靴のモデルでも結果が変わる
別の研究では、訓練を積んだ男性ランナー21人が、異なる硬さのカーボンプレートを組み込んだシューズと、プレートのない条件を比較しました。参加者は時速13キロで各条件4分間の走行を3回行い、走行時のエネルギーコストを測定しました。
中程度の硬さのシューズでは、プレートなしの条件よりエネルギーコストが低くなりました。より硬いシューズは、プレートなしの条件と有意な差がありませんでした。
この実験では、シューズ条件による歩幅や接地時間などの時間・歩行指標の差も見られませんでした。対象者と走行速度を限定した結果であり、シカゴで優勝した選手が着用したモデルにも同じ改善幅があることを示すものではありません。
国内の研究では、延べ33人を対象に、複数のアシックス製カーボンシューズを従来型やナイキ製品と比べました。初代のMeta Racerは従来型より走行効率が劣り、後続のMeta Speedシリーズ2種はナイキ製品と同程度と評価されました。
この比較では、Meta Speedシリーズの走行効率は従来型より約2〜3%改善しました。









