Housing as a Human Right and an Exhibition Reassessing Le Corbusier: This Week's Review - More Images
出典: images.adsttc.com

スイス・コルソーのヴィラ・ル・ラックで、ル・コルビュジエの遺産や近代建築史を見直す展覧会が2026年10月25日まで開かれています。歴史家による調査や文脈に即した資料を重視し、アイリーン・グレイやシャルロット・ペリアンの役割も取り上げます。

ヴィラ・ル・ラックで10月25日まで開催

「Remettre les pendules à l’heure(時計を正す)」は、フランス語と英語による展覧会です。会場のヴィラ・ル・ラックは、ル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレが1923〜1924年に設計した、レマン湖畔の住宅です。

展覧会は、ル・コルビュジエをめぐる歴史の見直しを掲げ、アイリーン・グレイやシャルロット・ペリアンの役割、グレイの作品として知られるヴィラE-1027などを扱います。 会場側は、1920〜1950年代の複雑な状況を踏まえ、文脈を明らかにした資料を歴史家が分析して展覧会を構成したと説明しています。

会場側によれば、展示はアルノー・デルセル、レミ・ボードゥイ、ジャン=ルイ・コーエンらが25年以上にわたり進めてきた研究をまとめたものです。 その方針は、建築家の評価を単純な賛否に寄せず、当時の状況や史料に照らして考えることにあります。

住宅に表れた「近代建築の5つの要点」

ヴィラ・ル・ラックには、ル・コルビュジエが後に示す「近代建築の5つの要点」のうち、自由な平面、屋上庭園、長窓の3つがすでに表れています。 Fondation Le Corbusierは、この住宅を最小限の規模で快適さを実現する試みとして紹介しています。

自由な平面は、部屋の使い方を固定した間取りに縛らず、限られた床面積を機能に沿って構成する考え方です。住宅内には玄関、居間兼仕事場、寝室、来客用の部屋、台所や浴室などがまとめられています。

湖に面した長窓は11メートルあり、レマン湖とアルプスに向けて景色を切り取ります。 屋上は屋外で過ごすテラスとして計画され、周囲の庭も住宅の空間の一部とされています。 こうした要素は、住まいの構成と敷地、眺望との関係を示すものです。

E-1027をめぐる設計者の位置づけ

展覧会が取り上げるヴィラE-1027は、フランスのロクブリュヌ=カップ=マルタンにある近代建築の住宅です。 アイリーン・グレイがジャン・バドヴィチとともに1926〜1929年に設計・建設し、グレイにとって最初の建築作品となりました。

E-1027では、建築と室内の設計が一体となり、造り付け家具や調整できる間仕切りなどが取り入れられました。 グレイは建築家であると同時に家具デザイナーでもあり、住宅の内装にも関わっています。

展覧会は、E-1027を含む近代建築の作品とともに、グレイやペリアンらの役割を再検討の対象にしています。 個々の建築を誰の仕事として記憶するかという問いを、ル・コルビュジエの評価と並べて扱う構成です。

史料の再発見と展覧会の会期

会場側は、展示に「誰もが失われたと思っていた」画像や文書も含まれると説明しています。 例として、ジャン・バドヴィチのヴェズレー墓地の区画に関する記録や、ダブリンのアイルランド国立博物館などで見つかった資料を挙げています。

展示が重視するのは、資料を当時の背景に置き、歴史家の調査と照らしながら読むことです。 ヴィラ・ル・ラックそのものと、そこで紹介される別の建築家や作品を通じ、近代建築史を複数の人物と史料から捉え直す内容になっています。

会期は2026年6月26日から10月25日までです。 会場はスイスのコルソーにあるヴィラ・ル・ラックで、展示はフランス語と英語の二言語で行われます。