ドナルド・トランプ米大統領は10月4日、超知能(Super Intelligence、SI)分野で連邦政府の取り組みを調整する組織「Super Intelligence Force(SIF)」の創設を発表しました。国家情報長官ジェイ・クレイトン氏ら4人が主導し、AIをめぐるリスクと機会を扱う報告書を120日以内に作成します。
4人が主導し、大統領に報告
SIFを率いるのはクレイトン氏のほか、連邦取引委員会(FTC)委員長のアンドリュー・ファーガソン氏、戦争省の研究・工学担当次官兼最高技術責任者エミル・マイケル氏、人事管理局(OPM)局長のスコット・クーパー氏です。SIFはトランプ大統領とスージー・ワイルズ大統領首席補佐官に直接報告します。
トランプ氏は、SIFの役割は米国がSI分野で世界をリードし続けるために連邦政府の取り組みを調整することだと説明しました。消費者、公益団体、宗教団体、重要インフラ事業者、SI企業と連邦政府との連携も担うとしています。
最初の任務は、AIに関するリスクと機会をまとめた報告書の作成です。期限は120日です。SIFの憲章は、SIを利用した脅威への対応計画を策定する一方、イノベーションや競争を妨げる過剰規制や規制の取り込みを避ける方針を掲げています。
「AI」から「SI」への呼称変更
SIFの創設に先立ち、トランプ氏は9月にAI担当組織「AI Force」の構想を示し、9月29日には連邦行政機関で「AI」に代えて「SI」を使うよう命じる大統領令に署名しました。この大統領令に続き、トランプ氏はSIFの創設を発表しました。
「超知能」は研究上、特定の作業で人を上回るAIとは区別され、幅広い知的領域で人間の能力を大きく上回る知性を指します。幅広い課題で人間並みの能力を持つとされる汎用人工知能(AGI)とも異なる概念です。一方、この大統領令は行政機関での呼称を変更するもので、SIFは連邦政府の取り組みを調整する組織です。
イーロン・マスク氏は同じ日、SNSへの投稿で「Super Intelligence」の方がよい呼び方だとし、自身の企業名「SpaceXAI」を「SpaceXSI」に変える意向を示しました。
既存の連邦政府組織との関係
米国では、2020年の国家人工知能イニシアチブ法に基づき、ホワイトハウスの科学技術政策局(OSTP)内の国家AIイニシアチブ事務局や、機関横断委員会、国家AI諮問委員会が設けられています。法制度上、事務局は連邦政府の取り組みを調整し、機関横断委員会は戦略や計画を扱い、諮問委員会は助言を行います。
同法では、国立標準技術研究所(NIST)が標準やリスク管理の枠組みを扱い、全米科学財団(NSF)が研究・教育を支援するなど、機関ごとの役割も定めています。既存の枠組みの下で、SIFは政府と民間企業や公益団体などの連携を調整し、リスクと機会に関する報告書をまとめる組織として発足します。










