
米国防総省は、AnthropicのAI製品の利用を終了したとBBCに説明しました。Claudeは情報の収集・分析や軍事作戦に使われ、Palantirの情報基盤「Maven Smart System」にも組み込まれていたとされます。
Claudeは情報分析や軍事作戦で使われていた
国防総省の担当者は「Anthropic製品の使用を停止した」とBBCに述べました。国防長官のピート・ヘグセス氏は2月、Anthropicを国家安全保障上のサプライチェーンリスクに指定し、8月下旬までに利用をやめる方針を示していました。
国防総省の利用に詳しい複数の関係者は、Claudeが最近まで研究、分析、情報収集のほか、イランに対する軍事作戦でも使われていたと説明しています。複数の関係者によれば、Claudeは膨大な情報の整理にも使われ、Palantirが運営するMaven Smart Systemにも組み込まれていました。
Maven Smart Systemは、衛星画像やドローン映像などの情報を集約し、地図上で整理・表示する国防総省のシステムです。CSIS(戦略国際問題研究所)によると、AIモデルが映像から物体を検出して候補を示し、担当者はその表示を確認・検証できます。利用者は同じ画面で、周辺の部隊や作戦上の制約も踏まえて選択肢を比較できます。
国防総省に近い関係者によれば、Mavenでは衛星画像やドローン映像をClaudeなどの大規模言語モデルに入力し、候補となる標的の特定などに用いていました。元国防当局者のローレン・カーン氏は、Mavenに深く組み込まれたClaudeを短期間で取り除くのは難しかったとBBCに話しています。
安全上の条件と国防総省の権限が争点に
Anthropicは2月、国防総省との交渉が、米国内の大規模監視と完全自律型兵器への利用を認めるかどうかをめぐって決裂したと説明しました。同社は、現行モデルは完全自律型兵器に使うには信頼性が不十分で、米国民の大規模監視は基本的権利を侵害するとして、二つの例外を求めたとしています。
同社によると、サプライチェーンリスク指定の法的根拠は米国法典第10編3252条です。Anthropicは、この指定が適用されるのは国防総省の契約業務でClaudeを使う場合に限られ、一般の顧客や別の目的で製品を使う請負業者には影響しないと主張しました。また、同社は米国企業への公の指定は前例がないと述べています。
その後の訴訟では、ABC Newsによると、連邦地裁のリタ・リン判事が3月、政府による指定を一時差し止める命令を出しました。判事は、政府がAnthropicを公の批判への報復として罰しようとした可能性を指摘する一方、国防総省にはClaudeの利用をやめ、別の供給元を選ぶ権限があるとの見方も示しました。
米国防総省の指令3000.09は、自律型・半自律型兵器について、指揮官や運用者が武力行使に適切な人間の判断を保てる設計を求めています。指令はまた、システムの性能や信頼性を現実的な条件で確かめ、適用される法や交戦規則に沿って運用することを定めています。
人間の監督をめぐる議論は議会にも広がっています。2026年7月に提出された法案は、AIを使う武力行使に人間の指揮責任を設け、意図的な殺傷目的では人間の承認などを求める内容です。提出段階の法案であり、成立済みの規則ではありません。
国防総省は今回の説明で利用終了を明らかにしました。同省はGoogle、xAI、OpenAIなどとも契約を結んでおり、関係者によれば、近年は一部の部門でOpenAI製品の利用が広がっています。











