ケンコー食品工業、都城産「みやだいず」を全量買い取り約30社へ供給
出典: misogura.com

宮崎県都城市のケンコー食品工業は、地元の在来種大豆「みやだいず」を農業法人3社と契約栽培し、収穫分を全量買い取っています。年間約60トンのうち同社が使うのは2割で、残りは地元の食品加工メーカーへ卸しています。食品用途の国産大豆自給率が23%のなか、地域で生産から加工までつなぐ取り組みです。

3法人と契約し、収穫分を全量買い取り

「みやだいず」は、宮崎大学が新たな品種を探して種子の提供を呼びかけた際、都城市内の農家から譲り受けた在来種です。ケンコー食品工業は農業法人3社と契約し、現在は約30ヘクタールで栽培しています。

収穫量は約60トンで、吉田努社長が全量を買い取っています。買い取り分の約2割は同社で味噌や蒸し大豆、煎り大豆、きな粉などに使い、約8割は地元の食品加工メーカーに卸しています。

大豆の調達では商社を通すメーカーが多いなか、ケンコー食品工業は農業法人との契約で原料を確保しています。同社は都城市産大豆を使った商品づくりと、地元での安定供給に取り組んでいます。

初年度の規格外品を経て利用先が広がる

契約栽培の初年度は大粒や中粒がほとんどなく、収穫物の多くが規格外でした。使えない大豆は畑に戻すことになり、吉田社長は翌年も続けるか迷ったと振り返っています。

吉田社長は、農家が潤わなければ取り組む意味がないとして、みやだいずを一般的な品種のフクユタカより高く買い取っています。一方、他の食品加工メーカーにはフクユタカより安く卸していると話しています。

現在、みやだいずは味噌メーカー3社と豆腐メーカー5社を含む約30社で採用されています。カフェで大豆粉を小麦粉の代わりに低糖質スイーツやパンに使う例や、きな粉をまぶしたクッキーが老舗料亭で提供される例もあります。

食品用途の国産大豆は自給率23%

JA全農によると、食品用途の大豆は、油糧向けを除いた国内自給率が23%です。国内では輸入依存度の高い穀物の増産が進められ、国産大豆の生産量も増えつつあります。

大豆は豆腐、納豆、味噌、しょうゆなどに加工され、国内の食生活に広く使われています。

吉田社長は、農家やメーカー、消費者にとって将来の利益につながると考え、契約栽培を継続してきました。

味噌づくり体験や家庭向け商品にも活用

同社は、みやだいずの蒸し大豆500グラム、麹500グラム、塩などを組み合わせた税込3,300円の「手作り味噌キット」を販売しています。キットには袋や輪ゴムのほか、自由研究に使える観察日記も付属します。

現在、4つの保育園で、11月に仕込んだ味噌を卒園式で保護者に贈る取り組みが行われています。みやだいずは原料としてだけでなく、子どもが味噌づくりに触れる場にも活用されています。

同社は味噌づくり教室やワークショップも案内しています。