
フィンランドの昆虫農業スタートアップVolareが、ポリ市で年最大5,000トンの昆虫タンパク質と2,000トンの油を生産できる工場を完成させました。生産能力の一部はすでに販売契約済みで、同社は次の工場の準備にも着手しています。
ポリ工場は年産5,000トンの能力
新工場は、元新聞印刷施設を改修して建設されました。食品産業から出る副産物を、アメリカミズアブの幼虫の飼料に使います。
工場は4人で1シフトを運営する設計です。建設費は1,500万ユーロ(約26億円)の予算内で、予定どおりに完成しました。
飼料用昆虫の生産では、幼虫を育てた後に加工し、タンパク質ミールや油を得ます。EUの飼料規則では昆虫も飼育動物として扱われ、飼料の安全性や衛生管理、加工施設の承認が求められます。
生産物の販売と次の工場
工場の生産能力の相当部分はすでに販売されており、契約先には養魚飼料大手のSkrettingと、社名非公表の世界的な化学企業が含まれます。
Volareは2022年から実証規模の施設でタンパク質を商業販売してきました。犬用おやつ、猫用フード、ニジマス用飼料の開発や、オーガニック鶏用飼料への利用にも取り組んでいます。
同社はSpringvestを通じて710万ユーロ(約12億円)を調達し、2つ目の工業規模施設の準備を進めています。
飼料原料の選択が生産を左右
幼虫の飼育に使う基質、つまり昆虫に与える材料は、原料の確保や生産物の性質に関わります。レビューでは、複数の植物由来基質を組み合わせると、機能特性の高い幼虫バイオマスが得られる傾向が整理されています。
現在の欧州規則では、飼育昆虫の基質に使えるのは、一部の動物由来製品を除き植物由来の材料です。ケータリング廃棄物や家畜排せつ物、消化管内容物などは使用が認められていません。
EUの規則では、肉や魚を含む未加工の余剰食品を飼育動物の飼料として使うことも、魚粉を除く加工動物性タンパク質を昆虫に与えることも禁止されています。VolareのCEO、ヤルナ・ヒュヴォネン氏は、規制緩和を事業モデルの前提にせず、電力、労働力、排水処理などのコストを抑える考えを示しました。
産業化ではコストと供給の安定が焦点
Feed Strategyは、欧州の昆虫飼料産業が初期の期待から工業化段階へ移る過程で、規制や高い生産コスト、市場の伸び悩みに直面してきたと評価しています。
複数の有力企業が破産や事業再編に至りました。Feed Strategyは、設備投資の大きさや従来の飼料原料との価格差も、産業規模での生産を難しくする要因として指摘しています。
Volareは、顧客が高品質に加えて安定供給、消化性、嗜好性、価格を重視すると説明しています。同社は乾燥工程を工夫し、タンパク質ミールのエネルギー使用を約30%減らしたほか、昆虫の排せつ物などからなるフラスの衛生処理に使うエネルギーも約50%減らしたとしています。








