Twee tere paddenstoelen. 06-11-2024. (d.j.b)
写真: Dominicus Johannes Bergsma / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

低所得層を対象にした小規模試験

オレゴン州の規制下で、低所得のうつ病患者を対象に集団形式のシロシビン療法を行う小規模試験が実施されました。参加者のうつ症状は投与後に低下しましたが、比較対象のない試験のため、シロシビン自体による改善の程度は特定できません。

シロシビンは一部のキノコに含まれる精神作用成分です。試験では、オレゴン州在住で連邦貧困基準の200%以下の収入があり、うつ病の診断を受け、継続的な心理療法を受けている成人を募集しました。

参加条件を満たした26人のうち20人が治療を開始し、19人が全行程を完了しました。参加者は最大6人のグループに分かれ、準備、投与、体験を振り返るセッションに参加しました。

準備から投与後の振り返りまで

参加者はオンラインで90分の準備セッションを2回受けた後、1週間の間隔を置いて、対面での投与セッションを2回受けました。投与の2日後には、オンラインで90分の統合セッションが設けられました。

投与時には、乾燥させて均質化した「B+」株のキノコをお茶にして摂取しました。参加者はファシリテーターの助言を受けながら、州の規則で認められた範囲で量を選びました。

試験の完了率は20人中19人で、セッションへの出席率は98%でした。参加者の満足度は5点満点で平均4.8点で、重篤な有害事象は報告されていません。主な副作用は一時的な吐き気、頭痛、不安でした。

うつ症状の変化と試験の限界

うつ症状の評価には、点数が高いほど症状が重いハミルトンうつ病評価尺度が使われました。平均点は開始時の22.21点から、2回目の投与の2日後には8.79点に下がり、3カ月後は11.89点でした。

生活の質を測る指標でも、8領域すべてが投与前後で改善しました。改善幅は3カ月後にやや縮小したものの、多くは維持されていました。これらは探索的な結果で、試験は効果を確かめるための比較試験ではありません。

参加者に対照群はなく、参加者と研究者の双方が治療内容を知っていました。また、参加者は試験中も通常の心理療法を続けています。そのため、症状の変化をシロシビン単独の効果とは断定できません。

州の制度と集団形式の費用

オレゴン州の制度では、利用者は21歳以上である必要があり、投与セッションの前に認可を受けたファシリテーターとの準備セッションを受けます。シロシビン製品を購入・摂取できるのは認可サービスセンターでの投与セッション中に限られ、投与後には統合セッションが提供されます。

州の保健当局は、利用者の安全計画と移動計画を準備時に確認する仕組みを定めています。投与セッションでは、摂取量に応じた施設滞在時間が設けられ、グループ形式には利用者とファシリテーターの比率に関する規則があります。

別の費用分析では、集団形式にすると、個別形式と比べてシロシビンによるうつ病治療の臨床家費用が患者1人あたり34.7%、981ドル(約16万円)減ると推計されました。この分析は臨床家の時間と費用を扱ったもので、今回の低所得者向け試験の費用を測定したものではありません。今回の試験は、低所得者に集団形式の治療を提供する手順の実行可能性を検証した初期段階の研究です。今後、より大規模な参加者と比較条件を設けた研究で、効果と費用対効果を評価する必要があります。