A FULL RECAP of the BACKROOMS (Series by Kane Pixels)
出典: youtube.com

ホラー作品「Backrooms」は、2019年に4chanへ投稿された画像と設定を起点に広まり、映画版は世界興収4億ドルを超えてA24の歴代最高興収作となりました。Lionsgateの幹部は、単一の大衆文化が弱まる一方、ネット上の小さなコミュニティが新しい作品や人材を見つける場になっていると語っています。

ネット上の小さな文化が作品の入口に

1983年には、テレビ番組「MAS*H」の最終回が大勢の視聴者を集め、ひとつの番組が幅広い人々の関心を集める時代を象徴しました。現在は関心が多くのオンラインコミュニティに分かれ、それぞれの場で作品や作り手が見つかっています。

Lionsgateの最高AI責任者キャスリーン・グレースは、こうした小さな文化圏を支え、作品をより広い観客へ届ける機会があると説明しました。例として、同社の同僚がTikTokの読書コミュニティ「BookTok」でフレイダ・マクファデンの小説を見つけ、映画化につながった経緯を挙げています。

映画会社のタレントエージェンシー、3 Arts Entertainmentは、「Backrooms」を手がけたケイン・パーソンズ監督を担当しています。グレースは、マネージャーとの協業を通じて監督に合う場が見つかった事例として同作を挙げました。

4chanの画像から広がったホラー設定

「Backrooms」の起点は、2019年5月、4chanの掲示板に投稿された黄色い廊下の写真です。その画像に、現実から誤って抜け落ちると、終わりのない空室に閉じ込められるという設定が加わりました。

この設定で使われる「ノークリップ」は、ゲーム内で壁などをすり抜けることを指す言葉です。作品世界では、現実の空間から抜け落ちると、淡い黄色の部屋が続く迷路に迷い込む筋立てになっています。

短い恐怖譚やネット上の民間伝承が広まり、複数の人が設定を付け足していく形式は「クリーピーパスタ」と呼ばれます。「Backrooms」も画像と短い設定から物語が拡張された例で、写真に写るありふれた場所の不穏さが、その世界観の土台になりました。

動画シリーズから映画へ

パーソンズは既存の設定をもとに動画を制作し、2022年1月に最初の「Backrooms」動画をYouTubeへ投稿しました。9分の動画は公開後48時間で再生数が100万回から700万回に増え、シリーズ全体は各話を合わせて約2億回に達しました。

映画版はウェブシリーズの世界観を引き継ぎながら、独立した物語を組み立てています。舞台は1990年で、チウィテル・イジョフォー演じる家具店主クラークが地下室で異世界への入口を見つけ、従業員と調査に入ります。

クラークが調査中に姿を消すと、レナーテ・レインスヴェ演じるセラピストが救出のためにその空間へ入ります。映画版はネット上で積み上がった設定を長編映画の筋立てにつなぎ、元の動画シリーズを知らない観客にも物語を提示しています。

ニュース配信にも広がる発掘の場

分散したオンラインコミュニティは、映画だけでなくニュース分野でも人材を見つける場になっています。NBC Newsは2018年に、サヴァンナ・セラーズが共同司会を務めるSnapchatの番組「Stay Tuned」を始めました。

短尺ニュース動画はその後TikTokとInstagramにも広がり、両サービスで合計180万人のフォロワーを持つようになりました。セラーズは、若い人々がソーシャルメディアで観客とつながる力を持つことから、従来の報道業界の外にも人材を見つけていると話しています。

NBC Newsはテレビに加え、ソーシャルメディアでも新しい視聴者に届けています。採用では各プラットフォーム上で観客とつながる力を考慮しています。