
機械学習モデルを既存の検知策に追加
ARC Raidersの開発元Embarkは、Denuvoのカーネルレベル保護とAnybrainの検知に加え、機械学習などを使った社内モデルを運用しています。複数の仕組みで不審な行動を調べ、措置を決める前に検知の確度を高める方針です。
EmbarkのエグゼクティブプロデューサーAleksは、不正ツールが新たな対策に適応するため、検知方法も継続的に更新すると説明しました。対策の詳細を伏せる場合があるのは、チート開発者が情報をもとに回避策を作りにくくするためだとしています。
検知は自動処理だけで完結せず、異議申し立てを通じた人による確認も設けています。不審な兆候が一度見つかっただけで処分するのではなく、複数回の行動を分析して不正の確度を高めてから、恒久BANを適用する方針です。
チート利用には警告なしの恒久BAN
Embarkは、既知のチートプログラムを使ったアカウントに恒久BANを適用することを標準とし、警告や再度の機会を設けない方針に改めました。ゲームの特定のコピーに利用制限を結び付け、同じコピーを別アカウントで使って復帰することも防ぎます。
BANされたコピーに関連付けられたことのある別アカウントも、恒久BANの対象になります。Embarkは、チートソフトを使うアカウントに加え、ゲーム内経済の不正利用に関係するアカウントの特定と処分も改善したとしています。
ただし、処分の判断には一定の確度を求めます。配信や動画で不正行為が見えても誤BANを避けるため、行動分析を重ねてから措置を取り、規約違反が明確な動画や配信はチームが確認すると説明しています。
カーネル保護と行動データの検知
Denuvoのカーネルモードドライバーは、Windows上で高い権限を持つ仕組みです。Denuvoは、通常のユーザーモードからカーネル内のチートを調べるのは難しいため、検知機能をカーネル側で動かすと説明しています。
Ars Technicaの取材に対し、Denuvoの製品責任者は、Doom Eternal向けの対策について、ゲームの実行中に動作し、マルチプレイ対戦以外では監視やデータ収集をしないと述べました。また、同社は不正ツールの検知を目的としており、ゲーム外でシステムの完全性を維持するものではないと説明しています。
Denuvoによると、ドライバーのインストール時にWindowsが許可を求めます。同社は、競技性のあるマルチプレイ機能を使わない場合はドライバーを必要としない設計を掲げ、ドライバーはゲームとともに削除できるとしています。
Anybrainはゲーム内の入力パターンを分析
Anybrainは、マウスの動き、コントローラー操作、入力パターンなどのゲームプレイデータを受け取り、チートやマクロ、スクリプトに一致する行動パターンを分析すると説明しています。
Anybrainによると、分析はサーバー側で行い、プレイヤーの端末にカーネルアクセスや追加ソフトのインストールを求めません。検知結果を運営会社に提供し、BANなどの措置はゲーム運営側が判断します。
Anybrainは、ゲーム内のプレイヤー行動や操作を分析し、正規の操作とチートによる操作を見分ける仕組みを掲げています。外部ハードウェアの利用、ジョイスティックの動き、プレイヤーの移動や行動、スクリプトやメモリーの変化も分析対象に挙げています。Embarkは今後、THE FINALSで小規模に試しているElytraをARC Raidersでもテストできる段階を目指すほか、再犯対策としてハードウェアBANの対象機器を増やす仕組みを年内に導入したいとしています。








