Anthropic、Claude EnterpriseにAI利用状況のレポートとチーム共有予算を追加
出典: docs.anthropic.com

Anthropicは10月28日、企業向け「Claude Enterprise」に、チームごとのAI利用状況を分析するレポート、アプリ内アンケート、チーム共有予算を追加しました。利用量と費用に加え、作業の成果やつまずきも把握でき、企業はAIへの支出を管理しやすくなります。

チームの作業、費用、つまずきを可視化

スマートレポートでは、対象チーム、期間、製品を選ぶと、会話のサンプルを分析して作業を分類します。作業ごとの支出、成果物、よく起きる問題が表示されます。問題にはコネクターの不足やツール呼び出しの失敗などがあります。

レポートには、繰り返し発生する作業をスキルにする提案や、コードリポジトリにルールを追加する提案も表示されます。管理者は独自の質問を設定し、質問や分析結果をテンプレートとして保存できます。

レポートの知見は、対応するメンバーと共有できます。管理者ではないチームリードに、自分のグループのレポート作成を許可する設定もあります。Anthropicは、スマートレポートを個人の評価や雇用判断に使うものではないとしています。

アンケートとチーム単位の予算

アプリ内アンケートでは、Claudeを使って価値のあった作業や、作業時間への影響、チーム内で共有したい使い方などを尋ねられます。管理者は質問を編集・削除でき、対象者や実施時期、表示場所も設定できます。

回答は集まり次第、アンケート画面に表示され、表計算ファイルに書き出せます。顧客管理の暗号鍵を使う組織でも有効化でき、データ全体に共通の保存期間を設ける組織では、その期間に従って回答も削除されます。Anthropicは回答を顧客データとして扱い、サービス運用に必要な場合に限ってアクセスするとしています。

共有予算は、チームに月単位の共通枠を設ける機能です。個人ごとの上限も維持され、利用者は個人上限とチーム予算のうち、先に達した方で利用が止まります。上限に達した利用者はClaude内から追加を申請でき、管理者が審査します。管理者には予算消費が50%、75%、95%、100%に達した時点でメール通知が届きます。

トークン利用とEnterpriseの課金

Claude CodeのAPI利用料は、消費したトークン数に応じて計算されます。開発者ごとの費用はモデル、コードベースの規模、複数インスタンスや自動化の使い方で異なります。Anthropicによると、企業導入時の平均費用は稼働日あたり約13ドル(約2,100円)、月あたり150〜250ドル(約2万4,000〜3万9,000円)です。

Enterpriseの利用料金は、席料と利用料の二つで構成されます。席料にはClaudeへのアクセスが含まれますが、トークン利用料は含まれず、標準API料金に基づいて別途請求されます。

セルフサービス型では、組織が前払いで購入したクレジットをチーム全体で共有し、利用に応じて残高が減ります。営業担当を通じて契約するプランでは、実際の利用額が月ごとに請求されます。いずれのプランでも、請求権限を持つ管理者は組織全体または個人単位の支出上限を設定できます。ユーザーは個人上限と組織上限の低い方を超えて利用できません。

開発分析ツールとの違い

管理者はスマートレポートで支出上限を引き上げることもでき、チームの利用状況を運用や投資計画に生かせます。

Jellyfishの開発分析では、Claude Codeの利用状況や、GitHubと連携したプルリクエストへの貢献状況を追跡できます。API利用者向けのConsoleでは、ユーザー別の費用を確認できますが、GitHubに結びついた貢献指標は対象外です。

Jellyfishは別のAI Impact機能で、複数のAI開発ツールの採用状況、費用、影響を一つの画面で比較し、チームやプロジェクト単位の支出を成果に結びつける機能も提供しています。Jellyfishの調査によると、276,000人の顧客によるエージェント型コーディングツールの利用で、Claude CodeなどAnthropicのモデルを使うツールがレビューに提出されたコード変更案の約3分の1を占め、年初からの支出は10倍に増えていました。