Claudeの逆コンパイル制限報告と、AIエージェントによるゲーム解析の仕組み
出典: xmodhub.com

Claudeで逆コンパイルを拒否する報告

Claude Opus 5.5など一部のAIモデルが、逆コンパイルなどのリバースエンジニアリングを支援する依頼を安全チェックで中断するとの報告が、10月から一部ユーザーの間で出ています。Anthropicは制限の有無や理由を説明しておらず、制限強化が実際に始まったかは明らかになっていません。

逆コンパイルは、実行ファイルを解析して、元のソースコードに近いコードを生成する手法です。プログラムの内部処理や仕様の把握に使われ、AIエージェントを解析ツールと連携させるプロジェクトも登場しています。

ゲームでは、内部仕様が分かるとシステムを改変しやすくなります。複数作品のゲームプレイを組み合わせる「マッシュアップMod」や、同時起動したゲーム間で情報を仲介する「Passthrough Mod」も話題になっています。後者の開発過程がすべて明らかになっているわけではありませんが、内部構造の理解が必要となる場合があります。

REAがAIと解析ツールをつなぐ方法

「Reverse Engineer Anything(REA)」は、Claude CodeやCodexなどのコーディングエージェントを、Ghidra、Hopper、IDAといった解析ツールにつなぐオープンソースプロジェクトです。InfoQによると、REAのGitHubスター数は20万を超えています。

REAはMCPサーバーを通じて解析ツールの機能をエージェントに渡します。エージェントは逆アセンブラに関数や相互参照を問い合わせ、関数呼び出しをたどって、実行ファイルの挙動に関する仮説を検証できます。JavaScriptやElectronアプリ、.NETアセンブリの静的解析にも対応します。

REAの事例では、ゲーム「DX-Ball」の効果音の定位処理を再構成し、元のx86コード3,205ケースとコンパイル済み関数の63バイトすべてで一致するテスト結果を示しています。DOSゲーム『東方靈異伝』の弾幕の角度計算を解析した例もあります。こうした手順では、エージェントが実行ファイルから得た情報をもとに処理を説明し、再現コードの作成につなげます。

実行中のコードからルールを再現

REAのガイドは、実行中のプログラムを調べ、具体的な機能の仕組みを説明したり、変更・再構築したりする手順を紹介しています。ネイティブの実行ファイルやライブラリでは、関数、文字列、参照関係、呼び出し関係を調べられます。解析対象に応じて、ブラウザー上の実行環境やJavaScriptアプリを調べる手順もあります。

ゲームの例では、Chrome由来の恐竜ゲームのスクリプトを読み、速度が上がる規則を取り出しています。速度6から始まり、衝突せず上限13未満なら、更新ごとに0.001ずつ加速します。この規則を使った小規模な再現ゲームも紹介されています。

Windows Calculatorの例では、百分率ボタンの処理を調べています。加算後の「10%」は最初の数値200に対する割合として計算され、200に20を加えて220になります。乗算後は10を100で割った0.1として扱い、200に掛けます。ゲームの実行ファイルでも、処理の分岐や関数呼び出しを追って特定の挙動を再現できます。

解析の可否は利用条件にも左右される

リバースエンジニアリング自体が直ちに違法となるわけではありませんが、権利侵害や不正アクセスに該当する場合は、法律や規約への違反となり得ます。ゲームごとの利用規約で解析が禁じられている場合もあり、SteamやNintendo Switchの利用規約にも、各プラットフォームが扱うソフトウェアについて同様の禁止事項があります。

AIを使った解析は、機能の調査や再現を容易にする一方、無断でサービスのクローンを作る行為やゲームの改変にも利用されています。『エルデンリング』に『スーパーマリオ64』のマリオを登場させるModの動画が、権利者の申し立てで削除された例があります。

Claudeの制限強化が事実なら、AIサービスによる解析支援の扱いが変わる可能性があります。REAは正当な解析や研究、調査、再構成にも利用できるとし、利用者に必要な許可の取得と適用される法律の遵守を求めています。