『グランド・セフト・オートVI(GTA 6)』の開発陣は、舞台のモデルとなった米フロリダ州で現地調査を行い、地元住民に加えて警察官やギャングのメンバーとも交流しました。開発を担うRockstar Northの開発責任者、Aaron Garbut氏は、こうした調査を、説得力や多様性、深みのあるゲーム世界を構築するために欠かせない工程と位置づけています。

Rockstar Gamesは本作を、PS5とXbox Series X|S向けに2026年11月19日に発売する予定です。2026年8月には、1年以上ぶりとなる新映像で、26分以上のゲームプレイが紹介されました。

マイアミからキーウェストまで調査

『GTA 6』は、広いゲーム世界を探索できるオープンワールド形式のクライムアクションゲームです。舞台はフロリダ州をもとにした架空のレオナイナ州で、マイアミをモデルとする都市バイスシティも登場します。主人公はジェイソンとルシアで、ある犯罪計画の失敗をきっかけに州全体に及ぶ犯罪の陰謀へ巻き込まれ、互いを頼りに生き延びようとします。

Garbut氏がLove Magazineのインタビューで語った調査の旅程は、マイアミを出発し、周辺の町を経てフロリダキーズ、キーウェストへ向かうものでした。開発陣は風景を探索するだけでなく、マイアミや周辺地域の文化に触れることにも多くの時間を費やしたといいます。

Garbut氏によれば、同社のゲーム開発はこうした調査旅行から始まります。現地では住民と交流し、警察官やギャングのメンバーと一緒に地域を回る場合もあると説明しています。同氏は、多くの人が親切である一方、恐ろしいと感じる人に会うこともあり、地域の裏側に触れる経験も調査に含まれると述べています。

訪問先にある文化と建築の特徴

調査の出発点となったマイアミについて、マイアミ大学は、キューバの芸術や文化が都市のアイデンティティーの形成に影響してきたと説明しています。

旅程の先にあるキーウェストには、葉巻職人のコテージからビクトリア様式の邸宅まで、さまざまな形態の歴史的建築が残っています。旧市街には約3,000の建造物があり、木造建築を主体とする歴史地区を形成しています。

『GTA V』でも現地の風景と人々を調査

現地の人々と行動を共にし、都市の外まで探索する手法は、過去作『グランド・セフト・オートV(GTA V)』の制作にも見られます。Garbut氏はBuzzFeed Newsのインタビューで、大規模なチームを複数回送り、ロケ地調査の専門家、建築史家、非番の警察官らと時間を過ごしたと説明しました。

『GTA V』の開発陣は、ロサンゼルス市内に加え、周辺の砂漠や町、森林も車で巡り、写真と長時間の映像を収集しました。Dan Houser氏も、潜入捜査経験のあるFBI捜査官、マフィアの専門家、俗語に詳しいギャングのメンバーに話を聞き、刑務所を訪れたと述べています。

『GTA V』の架空都市ロスサントスでは、道路網の設計にロサンゼルスのGoogle MapsやStreet Viewも使われました。開発陣は都市の地理的な構成や住民の分布を描くため、仮想地球儀のモデル、国勢調査データ、ドキュメンタリーも調べています。

Garbut氏によると、ゲーム世界の制作ではまず大まかな形を作り、収集した参考情報を照合しながら各地域を作り込みました。その後も、その場所らしさ、周囲との調和、古びた様子や歴史を感じさせる要素などを検討し、修正を重ねたといいます。

住民の描写についても、誰が住み、以前は誰が暮らし、どこで買い物をして何を楽しむのかといった生活の設定を重ねていました。物語やミッションの担当者が加えた要素を受け、登場人物に関係する場所や周辺環境をさらに細かく描く工程もあったと説明しています。

過去作では声の収録にも当事者が参加

『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』で音響ディレクターなどを務めたLazlow Jones氏は、実際のギャングのメンバーに声を担当してもらった際、台本のせりふが当事者の言葉遣いと異なるという指摘を受けたと語っています。

Jones氏は『レッド・デッド・リデンプション2』でも、ネイティブ・アメリカンのコミュニティで録音するためにニューメキシコ州サンタフェを訪れました。また、クレオールの人々と仕事をするため、ニューオーリンズへ赴いたことも明かしています。