
Runwareは、工場の生産ラインで組み立てるモジュラー型データセンターを増産し、2028年までに1日当たり30メガワット分の容量を製造する計画です。顧客の敷地で設置・設定を48時間以内に終えることも目指します。
2028年に日産30メガワットを目指す
Runwareは、モジュラー型データセンター「Sonic Inference Pod」を工場で製造しています。共同創業者兼CEOのフラヴィウ・ラドゥレスク氏は、ルーマニアの工場で生産を拡大し、2028年に日産30メガワット、月間では約1ギガワット相当の容量を目指すと述べました。
同社は現在、ポッドを製造してきた工場と、今年建設を始めた2つ目の工場を持っています。新工場は数カ月以内に完成し、来年初めに稼働する見込みです。Runwareは来年から段階的に生産を増やす計画です。
同社によると、ポッド1基の製造には以前は3週間かかっていましたが、生産拡大に伴い、近く1日に短縮する見通しです。これは工場での製造期間で、顧客の敷地で行う設置・設定を48時間以内にする目標とは別の工程です。
工場で設備を組み、現地で接続する
モジュラー型データセンターは、サーバーやネットワーク機器、電源、冷却設備などを標準化した単位にまとめ、現地以外で組み立てる方式です。設備を工場で統合して試験し、設置場所では電力や通信回線につないで稼働準備を進めます。
モジュールには、ラック、電源装置、冷却システム、ネットワーク接続設備を組み込みます。モジュールを複数追加して容量を拡張でき、既存設備を稼働させたまま増設する構成も可能です。Vertivの製品群には、単一モジュールから複数モジュールを組み合わせる方式まであり、冷却方法や電力容量の異なる構成が用意されています。
Vertivは、自社のモジュラー型施設について、敷地の準備と並行して工場で製造・試験することで、従来の建設より40%以上の期間短縮につながると説明しています。設計確定後は工場で組み立てと機械設備の試運転を行い、出荷前の受け入れ試験を実施します。ABBも、プレハブ設備を工場で統合・試験してから出荷し、現地で電源とケーブルを接続して組み立てる方式を紹介しています。
48時間の設置目標と従来方式との違い
Runwareの48時間という目標は、ポッドを製造する時間ではなく、顧客の敷地で設置と設定を行う時間です。顧客が自ら設置場所を用意する方法のほか、Runwareが場所を探す方法もあります。
従来の現地建設では、建物を造ってから設備を搬入し、接続や試運転を進めます。ABBは、自社のプレハブ型設備では製造と統合を現地工事と並行して進められるため、従来方式に比べて導入期間を最大30%短縮できるとしています。事前設計済みの構成では短縮幅を最大50%としています。
工場内で設備を組み合わせて試験することで、現地で初めて機器同士を接続する作業を減らせます。Vertivは工場での統合試験に加えて、顧客の要望に応じた現地試験や試運転にも対応するとしています。Runwareの48時間目標も、工場製造と現地設置を分けるモジュラー方式を前提としています。
生産拡大には資金と部品調達が必要
Runwareはこれまでに6,000万ドル(約94億円)超を調達し、昨年12月に実施した5,000万ドル(約79億円)のシリーズA資金で新工場の完成と稼働を進めています。シリーズBの調達も計画しています。
同社は、ポンプやファンなど一部部品をドイツから調達し、ネットワーク機器ではNvidiaに依存しています。一方、冷却設備などは標準部品を使って自社で設計・製造すると説明しています。生産量を増やすには、工場の人員や在庫、物流、部品供給を確保する必要があります。
Runwareは、外部顧客への販売を始めてから、Sonicポッドについて10億ドル(約1,600億円)相当の購入意向を受けたと述べました。対象は20メガワット超で、同社は納入に向けて作業を進めています。
電力と冷却をめぐる運用計画
Runwareは、ポッドに必要なのは電力とインターネット接続だと説明しています。冷却には、液体を循環させて熱を運び、空冷ラジエーターで放出する閉ループ方式を使う計画です。同社は、この方式では水道への接続を必要としないと述べています。
同社は電力事業者と協議し、397メガワット分の候補地を含む設置計画を進めています。候補地の容量は最大1.2ギガワットに広げる可能性があるとしています。ラドゥレスク氏は、候補地には通常すでに電力があり、ハイパースケール事業者より小規模な場所に設置すると述べました。
Runwareは、摂氏30度まではポッドが完全に無音で稼働するとし、可能な限り再生可能エネルギーを使う方針も示しています。来年初めに新工場を稼働させた後、米国や他地域へ展開する計画です。











