
AI部門が7〜9月期に黒字化
SpaceXの2026年7〜9月期の売上高は146億ドルで、前年同期比161%増でした。純利益は44億ドルとなり、前年同期の11億ドルの赤字から黒字に転じました。 AI関連の「Super Intelligence(SI)」部門は営業利益4億3,100万ドルを計上し、前四半期の12億5,700万ドルの赤字から改善しました。
SI部門の営業利益には、Cursorの買収に関連する株式報酬12億1,700万ドルが含まれます。 TechCrunchは、この一時的な費用がなければ部門の利益はさらに大きかったと伝えています。
一方、売上高の伸びはAIだけによるものではありません。通信部門の売上高は52億4,800万ドル、宇宙部門は17億6,700万ドルで、通信部門では営業利益も23億6,700万ドルに達しました。
計算基盤の拡張と投資負担
SI部門の設備投資は四半期で164億4,400万ドル、SpaceX全体では195億9,300万ドルでした。 同部門の計算能力は、2026年9月末時点で1.7ギガワットに達しています。
SpaceXはデータセンター「Colossus II」の建設を続けています。TechCrunchによると、イーロン・マスク氏はテネシー州メンフィスで週4日作業し、施設の稼働に取り組んでいると説明しました。
マスク氏は、AI計算基盤の拡張ではチップに加えて電力や冷却設備の整備が制約になるとの見方を示しました。 同社はタービン部品の調達を早めるため、ロケット開発で培った金属鋳造技術を使って部品を製造しているとしています。
ネオクラウドとしての事業
SI部門が手がけるクラウドサービスは、AIの計算処理に特化した「ネオクラウド」と呼ばれる事業分野に含まれます。ネオクラウドは、汎用的な企業向けサービス全般ではなく、GPUを使うAIの学習や推論向けに計算資源を提供する事業者です。
Microsoft for Startupsの解説では、ネオクラウドはGPU計算資源を中心に据え、大手クラウド事業者が提供する幅広い管理サービスとは異なる形で基盤を提供します。 また、物理サーバーに近い形でGPUを使うサービスがあり、モデル開発向けの計算資源を提供します。
同解説は、ネオクラウドの顧客にはモデル開発を行う企業などが含まれるとしています。 SpaceXの決算資料では、SI部門の増収要因として新たなクラウドサービス契約、Cursorの買収、Grokの利用拡大を挙げています。
Starshipと軌道上データセンター
宇宙部門では、Starshipの飛行を続けながら将来の軌道上データセンター構想にも関わる投資が進んでいます。軌道上データセンターは、衛星に計算機を搭載し、宇宙空間でAIなどの計算を行う構想です。
IEEE Spectrumの解説によると、宇宙では太陽光を電力源として利用できますが、大気がないため熱を逃がす方法は放射に限られます。 そのため、計算機を冷やすには熱を放出する大きなラジエーターが必要になります。
こうした衛星を軌道へ運ぶ手段として、Starshipの大型打ち上げ能力と再使用が構想の前提に挙げられています。 SpaceXはStarshipへの投資も進めており、TechCrunchはマスク氏が次回の試験飛行を11月に予定していると伝えました。 マスク氏は、同飛行で機体の第1段と第2段の回収を試みる考えを示しています。











