
Xboxの上位コントローラー「Elite Series 3」とみられる構成情報が見つかったと、Redditユーザーのesketitethan氏が主張しています。情報には、Hall effect方式とTMR方式という2種類の磁気式スティックや、ボイスコイルを使う振動機構が含まれています。いずれも流出情報に基づく仕様候補で、製品への採用は確定していません。
カスタマイズ用の構成情報に磁気式スティック
esketitethan氏は、Xboxのコントローラーをカスタマイズできる「Xbox Design Lab」の構成システムを提供するSpectrum Customizerのバックエンドで、設定記録や部品の3Dモデルを見つけたとしています。コントローラーのコードネームは「Edessa」とされ、スティックや振動機構、外装などの選択肢が含まれていたといいます。
スティックの候補は、磁場の変化で位置を検出するHall effect方式と、トンネル磁気抵抗を利用するTMR方式です。Hall effect方式には標準、緩め、硬めの選択肢があり、TMR方式は、より高い感度を求める利用者向けの選択肢として記録されていたとしています。
このほか、音量調整用とみられるスクロールホイール、金属製フェースプレート、低摩擦・静音仕様のスティック、背面パドルのデザイン追加も挙がっています。方向キーには標準、十字型、グリップ性を意識したタイプの選択肢があったといいます。
Hall effectとTMRは電圧と抵抗の変化を読み取る
2方式は、スティックの動きを電気信号に変える仕組みが異なります。Hall effect方式では、スティックとともに動く磁石がセンサーに与える磁場を変え、その結果生じる電圧の変化を入力に変換します。TMR方式が読み取るのは、磁石の磁場によって生じるセンサーの抵抗の変化です。
両方式とも、磁石と検出部分を接触させずに位置を読み取れます。SCUF Gamingは、Hall effect方式を幅広いゲーム用途に適した位置検出方式、TMR方式をスティック位置の細かな検出ができる方式として説明しています。
ただし、センサーの感度と、コントローラーとしての入力精度は同じではありません。CNETは、入力に対する反応の設定、微小な操作を入力として扱わない「デッドゾーン」、入力を読み取る頻度なども精度に影響すると指摘しています。TMRセンサーを採用しても、これらの実装次第でHall effect方式より優れた操作精度になるとは限らないという評価です。
消費電力にも違いがあります。CNETは、Hall effect方式では信号の増幅に電力が必要で、TMR方式には省電力上の利点があり得ると説明しています。一方、SCUF Gamingは、両方式の電力特性の違いが無線コントローラーのバッテリー消費に影響するとしています。
磁気式でも機械部分によるドリフトは残る
磁気式スティックが対策できるのは、主に検出部分の接触や摩耗に由来するドリフトです。ドリフトとは、スティックに触れていないのに入力が検出され、ゲーム内で意図しない移動などが起きる現象を指します。
従来の可変抵抗式スティックでは、金属の接点が抵抗膜の上を滑り、その位置に応じた電圧を読み取ります。抵抗膜の摩耗や汚れは測定を不正確にする原因です。GEEKY Fab.は、膜の摩耗で抵抗のバランスが崩れることに加え、接触抵抗が高くなって電圧の読み取りにずれが生じることも、ドリフトにつながる仕組みとして説明しています。
Hall effect方式やTMR方式は、この接触部分を使わずに入力を検出できます。ただし、スティックを中央へ戻すばねや支持部品などは機械部品のままです。CNETは、ばねや連結部分の劣化によってスティックが元の位置に戻らなくなれば、磁気センサーが正常でもドリフトが起こり得ると指摘しています。GEEKY Fab.も、Hall effect方式で防げる抵抗膜・接点の摩耗と、ばねの緩みや樹脂部品の摩耗による中央位置のずれを区別しています。
振動機構にはボイスコイルの記載
振動機構の設定には「Advanced Haptics(VCAs)」という名称があり、現行Xbox Series X/Sコントローラーにあるトリガー振動「Impulse Triggers」も併記されていたといいます。VCAはVoice Coil Actuatorの略で、電磁石となるコイルを使って動きを生み出し、触覚フィードバックに利用する機構です。
従来型の振動モーターは、偏った重りを回転させ、その揺れでコントローラーを振動させます。一方、直線的に動くアクチュエーターは、重りを軸に沿って往復させる仕組みです。今回の仕様候補にあるボイスコイルは、重りの回転だけで振動を作る方式とは駆動の仕組みが異なります。
触覚技術を手がけるImmersionは、偏心した重りを回すモーターは低周波の振動に適する一方、動作が遅く、精密な触覚表現には向かないと説明しています。同社は、ボイスコイル方式には広い周波数応答があり、より多様な触覚刺激を作れるとしています。
Eliteシリーズは交換部品と調整機能を拡充
初代Xbox Elite Controllerは2015年10月にXbox One向けに発売され、背面パドル、スティックの先端、方向キーを交換できる構造を備えていました。2019年11月発売のElite Series 2では、USB-C接続、3段階のトリガーロック、スティックの張力調整、改良したラバーグリップ、充電ドックが加わりました。
Xboxは2022年にElite Series 2をDesign Labの対象に加え、利用者が配色を選べるようにしました。











