
Grok Voice 3.0の提供と対話機能
xAIは音声対話モデル「Grok Voice 3.0」を開発者向けAPIで提供し、料金を1分あたり0.08ドルに据え置きました。音声を入力すると音声で返すSpeech-to-Speech方式を採用し、応答遅延は1秒未満としています。
このモデルは、会話中の間や話者交代、利用者がAIの発話に割り込む場面に対応します。25以上の言語を扱い、周囲の雑音やアクセントがある環境での利用も想定されています。
APIから外部サービスやツールを呼び出し、会話に応じた検索、予定確認、予約などを実行できます。xAIは、複数のツールを使う指示にも対応し、問い合わせへの回答に加えて業務を進める音声エージェントを構築できるとしています。
音声処理をつなぐ方式との違い
2025年に公開された研究では、音声認識(ASR)、言語モデル(LLM)、音声合成(TTS)を組み合わせた音声処理パイプラインが提案されています。
この方式では、認識、言語処理、合成を順番に待つと遅延が積み重なる課題に対処するため、各モジュールを並行して動かします。言語モデルが文章を文単位で音声合成へ送り、応答を段階的に出力します。
各モジュールをノンブロッキングの producer-consumer 方式で連携させ、不要な待ち時間を抑える設計も提案されています。
テスラとStarlinkでの利用
Grok Voice 3.0はテスラ車載AIに採用され、車内で1日あたり数百万件の音声対話を処理しています。ドライバーは予定の確認やメールへの返信のほか、コーヒーの注文やレストランの予約を音声で行えます。
Starlinkのコールセンターでは、Grok Voiceが複数言語で1日約2万件の問い合わせに対応しています。xAIによると、その約70%は人間のオペレーターを介さずに解決され、販売電話の4分の1は通話中の購入につながっています。
xAIは、単一のエージェントが顧客認証、機器のトラブル対応、クレジットの発行、交換機器の発送まで処理すると説明しています。CarShieldの事例では、事前審査を行うAIが人間を介さずに電話の66%を処理したと報告されています。
Webex AI Agentは、自動対応と案内付きのセルフサービスを通じて顧客の問い合わせや依頼に対応します。Cisco AI Assistantは定型的な処理を支援し、人間の担当者が会話に集中できる構成です。
料金とAPIの利用条件
Grok Voice 3.0はVoice Agent APIで利用でき、料金は1分あたり0.08ドル、1時間あたり4.80ドルです。従来モデルから料金は据え置かれ、既存APIで「grok-voice-latest」を指定している場合は自動で新モデルに切り替わります。
料金の単位はAPIごとに異なります。OpenAIのGPT-Liveは音声セッションの利用時間を秒単位で請求し、分単位で切り上げないとしています。
GPT-Liveでは、利用者やAIの発話中だけでなく、双方が無音の時間やバックエンド処理中もセッション時間に含まれます。音声セッションの料金と、バックエンドで使うモデルやツールの料金は別に見積もります。一方、Grok Voice 3.0は分単位の料金を公表し、応答遅延は1秒未満としています。











