
ラブ・マンデー制作の3部構成ドキュメンタリー「Diana Unheard」は、ダイアナ妃が1991年に録音した約5時間分の音声を使います。録音の一部は過去に公開されていますが、制作陣は全テープにアクセスし、これまで聞かれていなかった音声もシリーズに盛り込みました。
制作を担うラブ・マンデーのクリエイティブ・ディレクター、ケレネ・ベアフィールド氏は、シリーズを通じて、悲劇や孤独の物語として語られがちなダイアナ妃の姿を捉え直したいと説明しています。テープには、本人が自らの意思で行動し、伝えたいことを理解していた女性としての側面が表れているといいます。
全3部の題は「Got To Get Out」「You’re On Your Own」「Time Is Precious」です。シリーズは録音の内容だけでなく、録音を行い、アンドリュー・モートン氏の著書につなげるまでに必要だった秘密保持や工夫も扱います。
1991年の録音と著書への協力
録音は1991年、ダイアナ妃と、友人のジェームズ・コルサースト氏との間で行われました。コルサースト氏は会話を録音し、音声をモートン氏に届けました。モートン氏の著書「Diana: Her True Story」は1992年に出版され、ダイアナ妃が制作に関わった事実は、本人の死後の1997年に明らかになりました。
録音の内容は、ダイアナ妃の生活や結婚生活について本人の言葉で伝えるものでした。ベアフィールド氏によると、録音にはチャールズ皇太子との関係や、現在のカミラ王妃との関係について語る場面もあります。ある会合でカミラ氏と対面したときのことを、ダイアナ妃自身がテープで振り返っています。
その場面で、カミラ氏が「望んだものはすべて手に入れたのに、何が欲しいのか」と尋ねたと、ダイアナ妃は語っています。彼女は「夫が欲しい」と答えたと回想しました。この会話は、シリーズで紹介される録音の一例です。
秘密を保つための工夫
シリーズでは、録音時に周囲へ知られないようにした状況も描かれます。ベアフィールド氏は、二人が話している最中に誰かがドアの外にいると思い、警戒したことがあったと説明しました。また、会話を聞かれないようクラシック音楽を大きな音で流したことも、テープに記録されているといいます。
ダイアナ妃の関与を伏せたまま著書を世に出すことも、計画の一部でした。ベアフィールド氏は、本人が本を出すことを望んだ理由に加え、出版時には自分が関与したと知られてはならなかった点を、シリーズが扱うと述べています。
録音の断片は、ナショナル ジオグラフィックの2017年のドキュメンタリー「Diana: In Her Own Words」などで、すでに放送されています。一方、「Diana Unheard」の制作陣はテープ全体を利用でき、約5時間の音声から従来の番組で聞かれていない部分も取り上げます。
音声に登場する家族や関係者
テープには、ダイアナ妃の息子たちや王位継承についての発言も含まれます。アンドルー・マウントバッテン=ウィンザー氏について話す場面や、カミラ王妃との関係を語る場面もあり、シリーズは当時の本人の言葉を現在の王室に関わる話題とともに扱います。
番組には、録音を著書にまとめたモートン氏、録音を担ったコルサースト氏、著書の出版社であるマイケル・オマラ氏が出演します。ダイアナ妃の元恋人であるジェームズ・ヒューイット少佐も登場し、ベアフィールド氏は、軍人としての忠誠とダイアナ妃への恋愛感情の間で揺れた人物として、そのインタビューを紹介しました。
第2部ではダイアナ妃の子ども時代に戻り、ベアフィールド氏は、幼い頃からの行動力や意志が分かる内容だと語っています。最終部は著書の出版へと話を戻し、刊行が近づく過程を追います。
配給と公開に向けた動き
「Diana Unheard」の国際配給はシネフリックス・ライツが担当します。制作陣は、シリーズの世界各地での放送先に関する情報が近く発表される見込みだと述べています。
シリーズはMIPCOMで大きく紹介される予定です。MIPCOMはテレビ番組などを扱う国際市場で、シネフリックス・ライツはそこで本作を各国の買い手に向けて展開します。
ベアフィールド氏は、ダイアナ妃が現在も生きていたら作ったであろうドキュメンタリーとして番組を構成したと説明しています。シリーズは、本人の録音と関係者の証言を通じて、著書の成立過程やダイアナ妃自身の語りを3部にわたって紹介します。











