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出典: about.netflix.com

Netflixで配信が始まった1960年の『サイコ』

アルフレッド・ヒッチコック監督の映画『サイコ』がNetflixで配信されています。1960年公開のホラー作品で、物語の視点を移す構成と、バーナード・ハーマンによる弦楽中心の音楽が用いられています。

物語は、フェニックスで働くマリオン・クレーンが、勤め先から預かった4万ドルを持ち出して逃走するところから始まります。借金を抱える恋人サム・ルーミスとの生活を望み、カリフォルニアへ向かう道中で、マリオンはベイツ・モーテルに立ち寄ります。

モーテルを営むノーマン・ベイツとの会話を境に、物語はマリオンを追う展開から別の人物へと焦点を移していきます。Polygonは、主人公や物語の方向が途中で変わるため、作品の知名度から一部の展開を知っている観客にも先を読みにくいと評価しています。

物語の視点を切り替える構成

序盤では、マリオンが金を持ち出した後に警察官と遭遇し、車を乗り換える様子が描かれます。ベイツ・モーテルに着くまでの過程も、追われる不安を軸に進みます。

モーテルでマリオンは、内気なノーマンと会話を交わします。彼は母親との関係をほのめかし、剥製作りを趣味にしています。映画はこうした会話を通して登場人物の状況を描いた後、観客の注目先を変えていきます。

Polygonは、序盤のマリオンを中心とした展開にも独立した物語として引き込む力があり、後半では視点の変化が続くと評しています。

弦楽器の音色とリズムが緊張を生む

作曲家のバーナード・ハーマンは、『サイコ』の音楽を弦楽器だけで構成しました。EBSCO Researchによると、ハーマンは短く断片的なフレーズや独特のオーケストレーションを用い、音楽で心理的な奥行きを表現する作風を持っていました。その短いフレーズは、場面や人物の心理に応じて形を変える手法の一部でした。

NPRの番組で音楽教授ロイヤル・ブラウンは、冒頭の音楽に含まれる和音には長調と短調の両方の音程があると説明しています。ブラウンによると、その響きは日常的な場面から暗い側面へ移る感触を作ります。また、ハーマンは弦にミュートを付け、音色を乾いた冷たいものにしています。

ハーマンは弦楽器を打楽器のようにも使い、一般的な映画音楽で用いられる太鼓などに頼らず、鋭い音で驚きや緊張を作りました。シャワーの場面では、ヒッチコック監督は当初、音楽を付けない考えでしたが、ハーマンが作曲した曲を聴いて使用を決めたと、ハーマンの伝記作家スティーブン・スミスはNPRで語っています。スミスは、その音楽が観客に登場人物の恐怖や混乱を感じさせる働きをしたとも説明しました。

劇中の4万ドルを現在の購買力で見る

劇中でマリオンが持ち出す現金は4万ドルです。1960年の金額を2026年の購買力に直す計算では、米国の消費者物価指数は1960年の29.6から2026年の334.98に上昇し、価格水準は約11.32倍になっています。同じ換算では、1960年の40セントは2026年の約4.53ドルに相当します。

この倍率を4万ドルに当てはめると、現在の購買力では約45万ドルです。別の換算例では、1960年の1万6000ドルが2026年の約18万1070ドルに相当します。この換算例では、1960年から2026年の累積物価上昇率を約1032%としており、4万ドルを換算した約45万ドルという規模と整合します。

Polygonは、作中の4万ドルが現代の観客には異なる重みで映る点にも触れています。