Mangrove trees with tangled roots growing in calm dark water
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世界のマングローブ面積は1985年から2025年にかけて約477平方キロメートル増え、長く続いた減少傾向から転じました。ただし、国や地域によって増減は分かれています。増加幅は40年間で0.3%で、各地の損失を含めた世界全体の純増です。

世界全体は純増、国ごとの差は大きく

衛星画像と機械学習を使ったGlobal Mangrove Watch(GMW)のデータは、108カ国のマングローブの変化を追跡しています。今回の更新では10メートル解像度の画像が使われ、1985年以降の変化が地図化されました。

インドでは調査期間中に1,180平方キロメートル増え、増加幅が最大でした。パキスタン、オーストラリア、フィリピン、セネガルでも大きな増加が記録されました。

一方、減少幅が最大だったのはインドネシアで、2,043平方キロメートルを失いました。ミャンマーは1,458平方キロメートル、マレーシアは390平方キロメートル、ナイジェリアは312平方キロメートル、キューバは272平方キロメートルの減少でした。

過去の減少と近年の変化

世界全体の純増は47,720ヘクタールで、平方キロメートルに換算すると約477平方キロメートルです。この集計にはインドネシアの減少も含まれており、ほかの地域の増加がそれを上回りました。

国連食糧農業機関(FAO)の2020年森林資源評価は、世界のマングローブ面積が1990年から2020年までに104万ヘクタール減ったと集計しました。年間の減少面積は1990年代の4万6,700ヘクタールから、2010年代には2万1,200ヘクタールへ縮小しました。

インドネシアでは1985年以降の累計減少が続く一方、2010年以降は減少のペースが大きく鈍り、2015年以降は面積増加が大きい国の一つとなっています。反対に、カリブ海地域と中米・北米では1985~1995年に増えた後、直近5年間は減少傾向に転じました。

沿岸を守る根と波の実験

マングローブの根は泥をとどめ、陸から流れ込む汚染物質をろ過します。魚などの生息場所になるほか、海岸の侵食を抑え、風や波による洪水やインフラ被害を軽減する役割もあります。

米フロリダ州のインディアンリバー・ラグーンを想定した水槽実験では、生きたマングローブと模型の杭を使い、波の減衰を調べました。模型での波高の減衰は最大27~35%で、波のエネルギーは構成に応じて40~60%減りました。

同じ実験では、波の減衰により砂州の侵食が50~70%減少しました。杭を使った試験からは、同ラグーンの海岸安定化と復元に向け、根系の厚さを最低0.6メートルとする目標が示されました。

復元には水の流れと地域の参加も必要

別の縮尺模型実験では、護岸の沖側にマングローブ林を加えた構成を、護岸だけの場合と比較しました。縮尺は実物の8分の1で、波高6.0~7.5センチメートル、周期1~2秒の7条件を試しています。

この実験では、マングローブを加えた全ての波条件で越波量が減り、平均減少率は32.1%でした。越波量とは、波が護岸を越えて陸側へ流れ込む水の量です。

インドでは、保護区域の指定や伐採の停止に加え、1980年代後半からタミル・ナードゥ州などで「魚の骨」状の水路が掘られました。満潮時に海水を通し、干潮時に排水する水路で、マングローブが育つ土壌環境を整える取り組みです。

地域住民への植林報酬や、薪に頼らない生計手段の支援も進められました。復元では苗木の本数だけでなく、地域の所有意識を育て、生育に必要な水や土壌の条件を整えることが重視されています。