
パイロット映像がリーブス出演につながる
木彫人形を使った日本のストップモーション映画『Hidari』で、キアヌ・リーブスが主人公の声を担当します。監督・脚本・企画を手がける川村真司氏は、パイロット映像を見たリーブス側から連絡を受け、約1週間後にZoomで話すことになったと語りました。
川村氏は、黒澤明監督の映画に影響を受け、人形のイメージを三船敏郎とリーブスを合わせて年齢を重ねた姿として考えたと説明しています。リーブスはカンヌで出演が発表される前にパイロット映像を見ており、川村氏は当初から主人公の声の候補に挙げていました。
リーブスが演じるのは、江戸時代の職人・左甚五郎を着想源とする主人公です。川村氏とプロデューサーの松本紀子氏が本人側に企画を持ちかけ、リーブスは物語に関心を示して参加を決めました。
左甚五郎を着想源にした復讐劇
物語では、甚五郎が江戸城の再建にまつわる秘密を隠そうとする者たちに裏切られ、父親代わりの人物と婚約者、右腕を失います。絶望の淵に立った甚五郎は、木工の技術を使って機械仕掛けの義手を作り、復讐へ向かいます。
甚五郎は相棒の「眠り猫」とともに敵に立ち向かいます。眠り猫は、日光東照宮に現存する左甚五郎の代表作の一つとして知られる彫刻です。
川村氏は、木という素材を日本の文化や歴史に根ざしたものとして選びました。木彫の人形を通じて彫刻家の物語を描くことで、人形そのものが主人公の作品に見える表現を考えたと話しています。
人形と撮影環境が動きを形づくる
ストップモーションでは、人形や小道具を動かしながら撮影を重ね、位置の異なる画をつないで動きを表現します。人形の姿勢や動かし方は造形段階から考える必要があり、素材や大きさによって扱いやすさも変わります。
撮影時にはカメラや三脚を固定し、照明の位置も保ちます。人形やセットが撮影の途中でずれると画面上の見え方が変わるため、安定した台や固定具を使う方法が紹介されています。
人形を立たせたり関節を動かしたりする方法には、足元を固定する仕組みや、内部に組み込む骨組みがあります。『Hidari』では木彫の人形が作品の素材と物語の題材を兼ねており、手作業で作った形や質感が画面に現れる構成です。
映画祭での反応と資金調達
約5分のパイロット映像は自主制作とクラウドファンディングで作られ、YouTubeで公開されました。再生回数は約530万回、フォロワーは約12万人に達し、川村氏によると海外の人々も多く含まれます。
川村氏はアヌシーで『RRR』のS・S・ラージャマウリ監督に映像を見せ、制作方法について約30分立ち話をしたといいます。東京国際映画祭で紹介されたFilm Frontierの支援を受け、チームは人形を携えて映画祭や業界イベントで企画を売り込んできました。
長編化に向けて、チームは助成金や海外配給会社との提携を探しています。松本氏は釜山で、全額出資と引き換えに全権利を求めた米企業との協議が停滞したと述べました。 川村氏は、制作を独立系の手法で進めながら、資金とパートナーを求めていると話しています。











