
Warhoundが2億ドル(約310億円)を調達
軍用犬などの開発を目指す米スタートアップWarhoundが、1億2,000万ドル(約190億円)の企業評価額で2億ドル(約310億円)を調達し、事業を公表しました。出資者にはIn-Q-Tel、Sequoia、8VCが含まれます。同社は、爆発物の探知や捜索など、人間には危険で機械では難しい任務を想定しています。
Warhoundは、Colossal BiosciencesとAndurilの技術を組み合わせ、犬の健康、安全、任務遂行能力を高める技術を開発しています。Colossalは同社に技術をライセンスし、出資もしています。Anduril共同創業者のPalmer Luckeyはパートナーとして参加しますが、Warhoundの株式は保有していないとBen Lammは説明しています。
Warhoundは、ベルジアン・マリノアとジャーマン・シェパードの細胞株を保存し、任務に適した特性を目指して遺伝子を編集する計画です。
遺伝子編集と装備の計画
Lammは、視力の問題やがん、股関節形成不全、筋萎縮などが訓練を妨げる場合があると述べています。同社は健康や寿命に加え、速度、敏捷性、嗅覚センサーに関わる特性を編集対象として挙げています。
クローン犬の作製と遺伝子編集は別の工程です。体細胞核移植(SCNT)は、成熟卵子の核を取り除き、成犬の細胞核を移して胚を作る方法です。2005年に誕生したクローン犬スナッピーは、成犬の耳の皮膚細胞に由来する胚から生まれました。この方法で複製されるのは細胞提供犬の遺伝情報であり、特定の能力を新たに加える遺伝子編集とは異なります。
スナッピーの事例では、1,095個の胚が移植され、妊娠したのは3頭で、生存して誕生した犬は1頭でした。犬では卵子の成熟時期を捉える難しさもあり、この事例でのクローニングは成功率が低いものでした。Warhoundの初回の犬はクローン作製と遺伝子編集を予定しています。
任務用装備と動物福祉
Andurilは、犬用の防護ベストやゴーグルなどにソフトウェアとハードウェアを加える計画です。Lammが例に挙げたのは、センサーで得た情報をハンドラーへ送り、現場の状況把握や連携を支援する防弾ベストです。こうした装備は遺伝子編集ではなく、犬の外側に加える仕組みとして構想されています。
Warhoundは、訓練プログラムの認証に向けてAmerican Humane Societyの指導を受けています。同社は動物福祉を事業の中心に据え、認証を犬のケアと福祉への取り組みを支えるものと位置づけています。引退後は同団体の軍用犬再統合プログラムなどを通じて、犬の受け入れ先を設けることを目指しています。
遺伝情報を使った選別で、訓練に通る犬を増やせる可能性がありますが、クローン犬が従来の選抜より有利かは条件によって変わります。Gwernの分析は、訓練費用や遺伝率などの値が十分に確かでないとして複数の仮定を試し、その多くでクローンが訓練成功率を高め、費用に見合う可能性を示しました。これは仮定に基づく費用対効果の分析であり、Warhoundの犬で効果が実証されたことを示すものではありません。
初回の犬と今後の予定
Warhoundは最初の犬をクローン作製・育成しており、翌年初めの誕生を見込んでいます。作製にはColossal傘下のViagenが協力します。Lammは、犬が今後2年以内に任務に就くことを理想としていると述べています。
同社は、米軍、国防総省、警察、緊急対応組織などへの販売を想定しています。政府機関には事業について説明してきたとLammは話しています。民間人の安全については、犬を通常の軍用犬と同様に訓練し、購入者が管理すると説明しています。
従来の作業犬の供給について、Warhoundは米軍が使う作業犬の80%超が欧州から来ており、適性検査に合格する犬は半数に満たないとしています。










